RE100とは?加盟条件と再エネ100%を達成する方法、及び中小企業向けのRE Actionについてご紹介

2020年06月22日

地球温暖化、大気汚染等の環境問題は各国共通の課題として認識されていますが、同時に企業にとっても大きな課題となっており、脱炭素化への取り組みが企業価値に直結しているといっても過言ではありません。そうした背景の中誕生した「RE100」が今大きく注目されています。今回は今さら聞けないRE100について詳しくご紹介します。

【目次】

RE100とは


パリ協定について


加盟条件


再エネ100%達成の取り組み事例


中小企業向けのRE Action


まとめ

※この記事は、2020年6月22日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2021年1月21日に再度公開しました。

RE100とは



RE100とは、国際環境NGOのThe Climate Group(TCG)がCDPと協力して2014年に開始した国際イニシアチブです。設立の目的は、将来的なゼロカーボングリッドの推進です。パリ協定以降、脱炭素化は国家だけでなく企業にとっても大きな課題となっています。脱炭素化への取り組みが、企業価値に直結しているといっても過言ではなく、投資家の判断材料の一つとしても重視されています。RE100に加盟し、実際に再生可能エネルギーを導入することで、環境先進企業として認められ、国内外にアピールすることができます。
RE100が発足されてから現在に至るまで、欧米諸国を筆頭に加盟する企業は増加の一途を辿っており、多くの日本企業も加盟しています。

(出典:RE100|About us)

(出典:経済産業省|RE100 で再エネ由来 J クレジットの活用が可能に!)

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パリ協定について



RE100が発足した背景の一つに「パリ協定」があります。
パリ協定とは、フランスのパリで開催された「国連気候変動枠組条約第21回締約国会議」で採択された気候変動に関する国際条約で、2016年に採択されました。採択された目的は大きく2つあり、1つ目が協定全体の目的として、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して「2℃よりも十分に低く」抑え(2℃目標)、さらに「1.5℃に抑えるために努力する」こと(1.5℃目標)です。
2つ目が長期目標として、「今世紀後半に世界全体の人間活動による温室効果ガスの排出量をゼロにする」ことです。
1997年に定められた「京都議定書」についてご存じの方は多いと思いますが、パリ協定はこの京都議定書の後継として誕生しました。
パリ協定には日本や温室効果ガスの主要排出国を含む多くの国が参加しており、それだけ地球温暖化や環境問題に対して世界各国の関心が高まっていることが伺えます。

パリ協定について詳しくはこちら

(出典:資源エネルギー庁|今さら聞けない「パリ協定」 ~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~)

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加盟条件



では、実際にRE100に加盟するためにはどうすれば良いのでしょうか。
大前提として、RE100に加盟するということは、企業は事業運営を100%再生可能エネルギーで行うことを宣言するということです。(ここでいう「再生可能エネルギー」については、こちらで詳しく解説しています。)

それに加え、RE100が提示する以下の基準を満たす必要があります。※1

基準①影響力がある企業であること


1-1~1-4のうち、1つ以上に当てはまる必要があります。
1-1.世界的な企業、または国内で認知度や信頼度が高い企業
1-2.主要な多国籍企業
1-3.電力消費量が100GWh(日本企業は50GWh以上※)の企業
1-4.RE100の目的に貢献できる特徴や影響力を持っている企業

※2020年9月に変更

基準②「すべての企業活動」において再生可能エネルギー(以下、再エネ)の100%利用を達成することに対して、公約する意志があること


2-1~2-3のうち、いずれかに当てはまる必要があります。
2-1.すでに再エネの100%利用を達成している
2-2.未達成であるが、100%利用達成のための実施スケジュールを伴う明確な戦略を持っている
2-3.上記に当てはまらないが、RE100参加から12ヶ月以内に、100%利用達成のための明確なロードマップを策定することを公約している

基準③基準②の「すべての企業活動」の定義は、GHGプロトコルに則ること


基準②の「すべての企業活動」の対象範囲は下記となります。
3-1.企業活動に関連するすべてのscope2による排出
3-2.企業による発電に関連するscope1による排出(輸送のための化石燃料使用、発熱、電力生産を伴わないその他の用途を除く)
3-3.50%以上の資本関係があるグループ企業のすべての企業活動
3-4.50%以下の資本関係がある企業(フランチャイズおよび分所有権を有する企業)は、ケース別の判断となる。

基準④参加企業の例外


企業はグループ単位で参加する必要がありますが、子会社の内、以下の両方を満たす場合は例外として認められます。
4-1.親会社と明確に異なるブランドであること
4-2.年間の電力使用量が、1TWhを超えていること

基準⑤期限を設けた達成のための戦略を持つこと


再エネ100%利用達成に向けて、達成しなければならない最低限の期限として、下記が定められています。
2050年までに100%、2040年までに90%、2030年までに60%、2020年までに30%

基準⑥年次報告を行うこと


企業は、再エネの戦略や進捗についても毎年報告する必要があります。
方法としては、RE100が用意するフォーマット、もしくはCDPへの回答を利用することも可能です。
最低限求められる記載内容は、電力使用量の総計と再エネの電力使用量です。
その他、公約の達成状況についても、追加情報を求められる可能性があります。

基準⑦基準⑧発電事業や、再生可能電力設備の製造などを行う企業に関する条件


発電事業や、再生可能電力設備の製造などを行う企業に関する条件で、収入の大半を発電によりまかなう企業、および再生可能エネルギー電力設備を製造する企業に関しては、その傘下について別途条件が定められています。

RE100の加盟企業は200社を超え、日本企業は46社にのぼります。(2021年1月時点)
今後もRE100を宣言する企業は益々増加していくと見られます。

(出典:RE100|RE100 requirements)

(出典:RE100|Our members)

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再エネ100%達成の取り組み事例



RE100への加盟方法について説明しましたが、実際にRE100に加盟している企業は再生可能エネルギー100%を達成するためにどのような取り組みを行っているのでしょうか。
ここではいくつかの取り組み事例をご紹介します。

①企業が保有する発電設備による発電
再エネ発電設備の設置 (リコー)※2

②企業の敷地外に設置した発電設備から系統を経由して直接調達
住宅オーナーのFIT電力を買取り自社事業用電力に活用 (積水ハウス)※3

③電力小売との契約
当社のエバーグリーンプランによる電力供給 (戸田建設)※4

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中小企業向けのRE Action



■中小企業も参加できる「再エネ100宣言RE Acition」
世界中の企業がここまで再エネ100%への取り組みに関心を示している理由の一つとしてRE100を紹介しましたが、加盟するためには前項でもお伝えした以下4つの条件のうち1つ以上をクリアする必要があります。

※2010修正 RE100の加盟条件.png日本企業の場合、特に(3)の電力消費量が50GWhを超えているかどうかが重視されますが、中小企業においてこの条件を満たすことは難しく、中小企業にとってはハードルとなっています。
そういったRE100への加盟が難しい企業のため、2019年10月に誕生したのが、「再エネ100宣言 RE Action」(以下、RE Action)です。RE Actionは、RE100の日本窓口を務める日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)をはじめとする国内の大手4団体が共同で立ち上げた日本独自のイニシアチブです。その最大の特徴は「電力消費量が年間50GWh未満の需要家のみを対象」としているところで、RE100の基準を満たさない中小企業の受け皿となる仕組みとなっています。また、RE Actionには企業だけでなく、地方自治体などの行政機関、教育機関、医療機関なども参加することができます。参加の要件は、「遅くとも2050年までに使用電力を100%再エネに転換する目標を設定し、対外的に公表すること」であり、この点はRE100と変わりません。

RE100が認知されるようになってから、RE Actionに参加する中小企業や団体数は着実に増えており、2021年1月現在、102団体が参加、総消費電力量は約1,031GWhに及びます。今後も参加する企業は増えるでしょう。

(出典:再エネ100宣言 RE Action公式HP|再エネ100宣言 RE Actionについて)

まとめ



いかがでしたでしょうか。
RE100に加盟することによって、投資家や取引先に環境への取り組みをアピールすることができますが、日本の中小企業にとっては加盟の条件等でハードルが高い部分もあるでしょう。
RE actionも紹介しましたが、他にも様々なイニシアチブが存在するので、自社でも調べてみてはいかがでしょうか。

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