VPP(仮想発電所)とは?仕組みや再生可能エネルギーとの関係をわかりやすく解説

ライフスタイル
2026年7月27日

再生可能エネルギーの普及が進む中で注目されているのが、家庭や工場に分散した小さなエネルギーをひとつの発電所のように束ねて活用する「VPP(仮想発電所)」という仕組みです。この記事では、VPPとは何かという基本から、その仕組みや私たちの暮らしとのつながり、日本での取り組みまでをわかりやすく解説します。

目次

VPP(仮想発電所)とは

VPP(Virtual Power Plant:仮想発電所)とは、工場や家庭などに分散している小規模なエネルギー設備をIoT技術(さまざまなモノをインターネットにつなぐ技術)で束ねて遠隔制御し、あたかもひとつの発電所のように機能させる仕組みのことです 。

分散したエネルギー設備を束ねることで、電力不足時の供給や、再生可能エネルギーの供給過剰の吸収などに活用できると期待されています。

工場や家庭などが持つ小規模なエネルギー設備をIoTでつなぎ、ひとつの発電所のように機能させるVPPの概念図。

VPPの概念図(出典: 経済産業省資源エネルギー庁)

VPPが注目される背景

VPPが注目されるようになったのには、日本のエネルギーを取り巻く環境の変化が大きく関係しています。ここでは、その背景を2つの視点から見ていきましょう。

東日本大震災をきっかけとした需給バランスへの意識変化

これまでの電力システムは、基本的に「使われる電力(需要)に合わせて発電(供給)を行う」という形で成り立ってきました。

しかし、東日本大震災に伴う電力需給のひっ迫をきっかけに、省エネを進めるだけでなく、電力の需要と供給のバランスを意識したエネルギーの管理が非常に重要だと強く認識されるようになりました。

電気には「ためておくことが難しい」という性質があります。そのため、常に需要と供給を一致させておく必要があります。

このバランスが崩れると電気の品質のひとつである周波数が変動し、停電などの事故につながる恐れもあります。こうした理由から、需給のバランスを保つ新しい仕組みが求められるようになりました。

再生可能エネルギーの拡大と分散型リソースの普及

震災のあと、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの導入が大きく進みました。これらは天候など自然の状況によって発電量が変わるため、発電する量を思い通りに調整することができません。そのため、電力の需給バランスを保つうえでの新しい課題にもなっています。

また、再エネ導入の動きと並行して、太陽光発電や家庭用燃料電池、蓄電池、電気自動車など、電気を使う側(需要家側)に設置される小さなエネルギー設備も広がってきました。こうした分散型のエネルギー設備をうまく活用しようという発想から、VPPの活用が推進されています。

VPPを支える3つのキーワード

自宅の駐車場で充電中の電気自動車。身近な電気自動車も、分散型エネルギーリソースのひとつとして活用できることを示すイメージ。

VPPを理解するうえで、あわせて知っておきたい言葉が3つあります。いずれもVPPの仕組みを支える大切な役割を担っているためチェックしておきましょう。

分散型エネルギーリソース(DER)

分散型エネルギーリソース(DER)とは、電気を使う側に設置された小さなエネルギー設備のことをまとめて指す言葉です。

具体的には、太陽光発電、家庭用燃料電池、蓄電池、電気自動車(EV)、そして節電した電力(ネガワット)などがあてはまります。一つひとつは小規模ですが、たくさん集めて束ねることで、電力の需給バランス調整に活かせます。

デマンドレスポンス(DR)

デマンドレスポンス(DR)とは、電気使用量のパターンを変えることで、電力の需給バランスの調整に協力する取り組みです。

DRには、電気の使用を減らす「下げDR」と、電気の使用を増やす「上げDR」の2種類があります。たとえば電力のピーク時に使用を控えるのが下げDR、再生可能エネルギーが余っているときに使って吸収するのが上げDRです。

また、方法によっても2つに分けられます。料金の設定によって使い方を促す「電気料金型」と、電力会社やアグリゲーターと契約を結び、要請に応じて使用を調整する「インセンティブ型」です。

アグリゲーター

アグリゲーターとは、家庭や事業者に分散したエネルギー設備をまとめて制御し、VPPやDRのサービスを提供する事業者のことです。

たくさんの需要家を束ねる「司令塔」のような役割を担っており、それぞれの状況に応じて指令を出します。需要家1件ごとの規模が小さくても、まとめることでひとつの資源として扱える点が特徴です。

なお、日本では2022年4月から、こうした事業者に関わる特定卸供給事業者(アグリゲーター)の制度が始まっています。

VPPがもたらすメリット

VPPは、負荷平準化や再生可能エネルギーの供給過剰の吸収に活用できると期待されています。ここでは代表的な2つのメリットを紹介します。

電力の需給バランスを安定させる

これまでは、主に大型の発電機を動かすことで電力の需給バランスを保持してきました。

VPPは、こうした従来の電力システムに分散した小さなエネルギー設備を加えることで、昼夜や季節間での電力需要の差を抑える「負荷平準化」などに役立つと期待されています。大型発電機に加え、分散した設備も需給調整に活用できる点がメリットです。

再生可能エネルギーを無駄なく活用できる

VPPは再生可能エネルギーの供給過剰を吸収する役割も期待されています。

太陽光や風力による発電は、天候によって発電量が大きく変わります。発電が需要を上回って電力が余りそうな場合でも、VPPを活用すれば、余った電力を蓄電池にためたり、機器を動かして吸収したりできます。

家庭とVPPのつながり

VPPは大きな工場や事業者だけの話ではありません。実は、一般の家庭もVPPと深くつながっています。

家庭の蓄電池やEVもリソースになる

家庭に置かれた蓄電池や電気自動車(EV)、家庭用燃料電池なども、VPPを構成するエネルギー設備になります。アグリゲーターと契約を結ぶことで、事業者だけでなく一般家庭も、VPPやDRの取り組みに参加できます

ネガワット取引で需要家が報酬を得られる仕組み

ネガワット取引とは、アグリゲーターと事前に契約を結び、電気のピーク需要の時間帯に節電を行う取り組みです。インセンティブ型の下げDRにあたります。

ネガワット取引に参加した需要家は、節電に協力することで報酬を得られます

ネガワット取引のイメージ。電力会社・アグリゲーター・需要家の間で行われる取引の流れを示した図。

ネガワット取引のイメージ図(出典: 経済産業省資源エネルギー庁)

報酬には、いつでも節電できる体制を整えておくことに対して支払われる「kW報酬」と、実際に削減した電力量に応じて支払われる「kWh報酬」があり、具体的な内容はアグリゲーターと需要家の契約によって決まります。

日本で進むVPPの実証と制度整備

VPPを社会に広げるため、日本では国を中心にさまざまな取り組みが進められてきました。

国によるVPP構築実証事業

国は2016年度に「バーチャルパワープラント構築事業費補助金」を設け、VPPの構築実証事業をスタートしました。

2017〜2020年度には「需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金」として、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)などを通じて実証が行われています。

また、2016年1月には、アグリゲーションビジネスの方針を話し合う「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス検討会」が始まりました。

さらに、2011年度~2014年度には、横浜市・豊田市・けいはんな学研都市(京都府)・北九州市の4地域において、HEMSなどを取り入れた「次世代エネルギー・社会システム実証事業」も行われています。

需給調整市場など市場の整備

VPPやDRを活用しやすくするため、電力を取引する市場の整備も進んでいます。

2017年4月には節電した電力を取引できる「ネガワット取引市場」が創設され、日本卸電力取引所(JEPX)での取引が可能になりました。

さらに、2021年4月には、地域を越えて広く調整力を調達する「需給調整市場」が開設されています。日本全体で十分な供給力を確保するための「容量市場」の整備も進められており、VPPが活躍できる環境が少しずつ整ってきています。

再エネ100%のエバーグリーンで暮らしから脱炭素を

電球と鉢植えの緑。環境に優しい電気を表すイメージ。

太陽光や風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーは、地球温暖化対策の切り札として、現在世界的に活用が推進されている環境に優しいエネルギーです。

個人で再生可能エネルギーを支える・活用する取り組みに参加する方法は、VPPだけではありません。毎日使う電気そのものを再生可能エネルギー由来のものに切り替えることも、暮らしの中で無理なくできる大きな環境貢献です。

環境に配慮した電気を使いたい方におすすめなのが、電力会社『エバーグリーン』です。

エバーグリーンは、国内有数のバイオマス発電事業者であるイーレックスと東京電力エナジーパートナーの共同出資により設立された電力会社です。

累計契約件数は19万件を突破し(2025年9月末時点)、すべてのプランで再生可能エネルギー100%のエコな電気を提供しています。

電力会社を切り替えるだけでCO₂排出量を実質ゼロに

エバーグリーンに切り替えると、ご家庭の電気使用に伴うCO₂排出量を実質ゼロにできます。

一般的なファミリー世帯では、1ヶ月あたり約127kgものCO₂排出量を削減できます。これは、杉の木およそ9本分の植林効果に相当します。

※CO₂排出量は令和5年度全国平均係数(0.423kg-CO₂/kWh)をもとに計算
※植林効果は「森林の二酸化炭素吸収力」(関東森林管理局/林野庁)をもとに、杉の木1本当たりの年間CO₂吸収量を14kgとして計算

再生可能エネルギー由来のエバーグリーンの電気で、ぜひ環境に優しい暮らしを始めましょう。

基本料金0円・料金単価一律のスマートゼロプラン

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スマートゼロプランは、毎月の基本料金がかからず、使った分だけ支払う仕組みのため、旅行などで長期間不在にする月も無駄な固定費がかかりません

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VPPの仕組みを知り、暮らしから再エネを支えよう

VPP(仮想発電所)は、家庭や工場に分散したエネルギー設備をIoTで束ね、ひとつの発電所のように機能させる仕組みです。

天候によって発電量が変わる太陽光発電や風力発電を無駄なく活用し、電力の需給バランスを安定させる役割が期待されています。一般家庭も、蓄電池や電気自動車などを通じてVPPに参加できます。

暮らしの中で手軽に再生可能エネルギーの普及・活用に貢献するなら、エバーグリーンへの切り替えも効果的です。ご家庭の設備や電力会社を見直し、無理なくできることから始めてみましょう。

VPPについてよくある質問

VPPとは何の略で、どういう意味ですか?

VPPは「Virtual Power Plant」の略で、日本語では「仮想発電所」と呼ばれます。家庭や工場に分散した小さなエネルギー設備をIoTで束ね、あたかもひとつの発電所のように機能させる仕組みのことです。

VPPとデマンドレスポンス(DR)の違いは何ですか?

デマンドレスポンス(DR)は、電気の使い方を変えることで需給バランスの調整に協力する取り組みを指します。VPPは、蓄電池や太陽光発電などの分散した設備を束ねて発電所のように機能させる仕組みで、DRはVPPを支える手段のひとつに位置づけられます。

一般家庭もVPPに参加できますか?

参加できます。アグリゲーターと契約を結ぶことで、事業者だけでなく一般家庭も、家庭の蓄電池や電気自動車などを通じてVPPやDRの取り組みに参加可能です。

アグリゲーターとはどのような事業者ですか?

家庭や事業者に分散したエネルギー設備をまとめて制御し、VPPやDRのサービスを提供する事業者です。多くの需要家を束ねる司令塔のような役割を担っており、日本では2022年4月から関連する制度も始まっています。

VPPはなぜ必要とされているのでしょうか?

再生可能エネルギーの拡大により、天候で発電量が変わる電源が増えました。電気はためておくことが難しいため、需要と供給のバランスを取ることがこれまで以上に重要になっています。VPPは分散した設備を活用して電力需給の調整を支える、大切な仕組みとして必要とされています。

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