サステナブルファッションとは?意味や取り組みを詳しく解説

2021年08月30日

SDGsをきっかけにさまざまな業界で「サステナブル」がキーワードになっています。ファッション業界も例外ではなく、最近では「サステナブルファッション」が推進されています。この記事では、サステナブルファッションの意味や取り組みを詳しく解説します。

「サステナブル」という言葉を聞く機会は多くなりましたが、「サステナブルファッション」についてはまだあまり馴染みがないという方も多いかもしれません。

ここでは、サステナブルファッションという考え方が生まれた背景などを見ていきましょう。

衣類の製造は、大きく分けると下記の工程があります。

  • 1.
    原材料の調達
  • 2.
    紡績
  • 3.
    染色
  • 4.
    裁断・縫製

完成したあとは船や飛行機などで輸送され、最終的には廃棄やリサイクルに至るという流れです。

上記のような工程を経るわけですが、それぞれの作業において環境に負荷がかかっており、近年そのことが問題視されるようになりました。

環境省によると、原材料の調達から製造までにかかる年間環境負荷の総量は、ファッション業界全体で、CO₂排出量が約90,000kt、水消費量が約83億m³、端材等排出量が約45,000tとされています。

また、国内のアパレルの状況に目を向けると、衣類の供給数が増えている一方で、1着あたりの価格は安くなっており、大量生産・大量消費の傾向があります。

衣類のライフサイクルも短くなっており、環境省が公表している1人あたりの衣類消費・利用状況(年間平均)は下記の通りです。

  • 購入枚数:約18枚
  • 手放す服の数:約12枚
  • 着用されない服:25枚

服を手放す際の手段はいくつかありますが、ごみとして廃棄する割合が最も多く、廃棄する際に環境への負荷が生じています。

このような状況を背景に、「サステナブルファッション」という考え方が生まれました。

「サステナブルファッション」とは、持続可能な社会の実現のために、ファッションという切り口で取り組むアクションであり、企業は環境に配慮した衣類を生産をすること、消費者はエコなファッションを積極的に取り入れることを求められています。

最近話題のSDGs(持続可能な開発目標)では、17の目標が設定されています。

その中のひとつ、目標12「つくる責任、つかう責任」は、サステナブルファッションに関わる目標です。

目標12のターゲットは、以下のように定められています。

12-1 持続可能な消費と生産の10年計画(※)を実行する。先進国がリーダーとなり、開発途上国の開発の状況や対応力も考えに入れながら、すべての国が行動する。
12-2 2030年までに、天然資源を持続的に管理し、効率よく使えるようにする。
12-3 2030年までに、お店や消費者のところで捨てられる食料(一人当たりの量)を半分に減らす。また、生産者からお店への流れのなかで、食料が捨てられたり、失われたりすることを減らす。
12-4 2020年までに、国際的な取り決めにしたがって、化学物質やあらゆる廃棄物(ごみ)を環境に害を与えないように管理できるようにする。人の健康や自然環境に与える悪い影響をできるかぎり小さくするために、大気、水、土壌へ化学物質やごみが出されることを大きく減らす。
12-5 2030年までに、ごみが出ることを防いだり、減らしたり、リサイクル・リユースをして、ごみの発生する量を大きく減らす。
12-6 とくに大きな会社やさまざまな国で活動する会社に、持続可能な取り組みをはじめ、会社の成果を報告する定期的なレポートに持続可能性についての情報をふくめるようにすすめる。
12-7 国の政策や優先されることにしたがって、国や自治体がものやサービスを買うときには、それが持続可能な形で行われるようすすめる。
12-8 2030年までに、人びとがあらゆる場所で、持続可能な開発や、自然と調和したくらし方に関する情報と意識を持つようにする。
12-a 開発途上国が、より持続可能な消費や生産の形をすすめられるよう、科学的および技術的な能力の強化を支援する。
12-b 地域に仕事を生み出したり、地方の文化や特産品を広めるような持続可能な観光業に対して、持続可能な開発がもたらす影響をはかるための方法を考え、実行する。
12-c 資源のむだづかいにつながるような化石燃料(石油など)に対する補助金の仕組みを変える。そのために、各国の状況に応じて、税金の制度を改正したり、有害な補助金があれば環境への影響を考えて段階的になくしたりして、化石燃料が適正に売り買いされるようにする。そのとき、開発途上国の状況や必要としていることなどを十分に考え、貧しい人や影響を受けるコミュニティが守られるようにして、開発にあたえる影響をできる限り小さくする。

※2012年の国連持続可能な開発会議(リオ+20)で決められた、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みのこと。

大量生産・大量消費ではなく、持続可能な生産・消費を目指すために、ものを生産する企業や、それを購入する国・自治体・消費者に向けてターゲットを設定しています。

ごみの増加を抑えることや、リサイクル・リユースを積極的に行うこと、天然資源の管理を徹底することなどは、サステナブルファッションに通じる部分です。

【関連記事】SDGsの目標12とは?現状や取り組み事例を解説

どのようなものが「サステナブルファッション」として認められるのでしょうか。

確立された定義があるわけではないのですが、下記のようなポイントをサステナブルファッションの条件として捉えることができるでしょう。

  • 長く使い続けられる丈夫さやデザインになっているか
  • 環境に配慮された素材か(生産過程の二酸化炭素排出量が少ないことやリサイクル可能な繊維かどうかなど)
  • 環境に配慮した工程で作られているか
  • リサイクル可能な素材かどうか
  • 衣類を生産する人々の労働環境が健全か

「持続可能」の中には、衣類そのものだけでなく、衣類を作る人たちの環境の健全性も含まれています。

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消費者としてサステナブルファッションを実践する方法には、以下のようなものがあります。

サステナブルに配慮したアイテムを購入する

さまざまな企業やブランドがサステナブルな取り組みを始めており、環境に配慮したアイテムを販売しています

たとえば株式会社ゴールドウィンのブランド「THE NORTH FACE ザ・ノース・フェイス」では、成長に合わせて袖丈と裾丈が伸縮調整できるシステムを搭載したキッズウェア、シルエットの変更ができるマタニティウェアなどを作っています。

どちらも衣類を長く使用できるよう考えられたアイデアです。

他にも多くの事例があるので、どのようなブランドがサステナブルファッションに取り組んでいるかを調べ、エコなアイテムを購入しましょう。

衣類の製造背景や素材を調べる

衣類がどのように製造されているのか、何で作られているのかを調べてみてください。

ホームページで製造工程のこだわりを調べたり、お店のスタッフさんに聞いてみるのも良いでしょう。

環境に配慮した素材や生産ルートなどを採用していれば、サステナブルな衣類を販売している店舗・ブランドといえます。

そのような衣類を購入することはもちろん、衣類の背景に興味を持つこともサステナブルファッションの取り組みとして大切なことです

長く着続けることができるか考えてから購入する

服1着あたりの環境負荷は、CO₂排出量が約25.5kg、水の消費量が約2,300Lと言われています。

1回のお風呂で使う浴槽のお湯の量を200Lとすると、なんと11回分以上になる計算です。

同じ衣類を長く着用すれば、余分な服を購入することを避けることができ、その分だけ環境へのダメージを減らせます。

服を購入する際は、長く着続けることができそうかどうかをしっかり考えるようにしましょう。

またもし服が破れたり壊れてしまったら、リペアやリメイクをするのがおすすめです。

リペアすれば、お気に入りの服をもう一度着用できます。

リメイクなら、同じ衣類でもまた違った形やデザインになり、新しい服のように着用できるでしょう。

古着を購入する

古着を購入するのも、サステナブルファッションを実践できる取り組みのひとつです。

古着を購入すれば、廃棄に伴う環境への負荷を軽減できます

新品よりも安くなっていることが多く、また古着ならではのファッション性を楽しめるなど、自分自身へのメリットもあります。

不要な服はリサイクルする

着用しなくなった服は、廃棄ではなく、できるだけリサイクルしましょう。

回収を行っている店舗に古着を譲ったり、自治体の回収サービスを利用するのがおすすめです

リサイクルやリユースが行われている衣類は、手放された服全体の34%ほどにとどまっているのが現状なので、積極的に取り組んでいきたいところです。

【関連記事】リユースとは?意味や具体例をわかりやすく紹介

環境負荷を考慮して洗濯する

サステナブルファッションの実践には、衣類の購入や使用だけでなく、洗濯の仕方も重要です。

洗剤に含まれていることがあるマイクロビーズは海洋汚染の原因になるため、洗剤の使いすぎに気を付け、必ず適量で使用しましょう。

サステナブルファッション以外にも、持続可能な社会の実現のためにできることがあります。

その中でもおすすめしたいのは、再生可能エネルギーを使ったエコな電気を選択することです。

再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、バイオマスなどのエネルギーのことで、CO₂排出量を減らしたり(もしくは増やさない)、化石燃料への依存度を下げる効果も期待できます。

2016年にスタートした電力自由化をきっかけに、今ではさまざまな電力会社が存在しています。

そして私たちは、好きな電力会社を選べるようになりました。

再生可能エネルギーを積極的に使った電力会社もあるので、そのような会社に切り替えるだけでも環境に配慮できるでしょう。

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サステナブルファッションは、ファッション産業が環境へ与える深刻な負荷を背景に生まれた考え方です。

1着の服をできるだけ長く着る、いらなくなった服はリサイクルに回すなど、できることからサステナブルファッションを日々の生活の中に取り入れてみてください。

またサステナブルファッションだけでなく、エコな電気を選択するのも持続可能な社会の実現に役立ちます。

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(出典:環境省|サステナブルファッション)
(出典:環境省|丁寧な服作りによる衣類ライフサイクルの長寿化に向けた取組事例)
(出典:SDGs CLUB|12.つくる責任、つかう責任)

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