絶滅危惧種が増える原因は?個人で出来る対策は?

2023年07月27日

絶滅危惧種とは、文字通り、絶滅が懸念されている生物種のことを指します。しかし、これらの動植物は、最初から個体数が少なかったわけではありません。人間が豊かな生活を送ろうとする中で、犠牲になってきたという歴史があります。絶滅危惧種はなぜ発生するのか、彼らを救うにはどうしたらいいのか、この記事で解説しています。

環境に優しい、エバーグリーンの「CO₂フリープラン」

『エバーグリーン』は、東証プライム市場上場のイーレックスグループの一員で、電力事業20年以上の実績がある老舗の新電力です。

エバーグリーンの「CO₂フリープラン」に加入すると、電気を使用したときのCO₂排出量が実質ゼロになります。

CO₂フリープランの詳細はこちらからご覧いただけます。

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世界の総人口は指数関数的に増加し、2022年11月15日に、とうとう80億人を突破しました。

このままのペースで人口が増加し続けた場合、2058年には100億人に達する見込みです。

しかし、人間が物質的に豊かな生活を送る一方、地球の資源はどんどん消費されています

その中で問題として挙げられるのが、絶滅危惧種の増加です。

ミレニアム生態系評価(2001年~2005年実施)によると、過去100年間で、1万種当たり約100種が絶滅したと報告されています。

これは、自然状態における絶滅速度の約1,000倍に相当するスピードです。

さらに、WWFが2022年10月に発表した「生きている地球レポート2022」によると、自然と生物多様性の健全性を測る指標である「生きている地球指数(Living Planet Index: LPI)」は、1970年~2018年の約50年間で平均69%減少していることが示されています。

LPIとは地球上の脊椎動物(哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類・魚類)の個体群を追跡した指標です。

つまり、わずか50年にも満たない間に、地球にすむ生き物の約3分の2が姿を消したことになるのです。

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生物の絶滅を回避しなくてはいけない理由は、単に「可哀想だから」というようなものでは収まりません。

食べ物や薬、衣料など、私たちはさまざまな場面で生物の恩恵を受けており、そのおかげで現在の生活を送ることができています。

ある種が絶滅すると、連鎖的に他の種も絶滅し、結果として、人間が地球上で生きていくのが困難なほどに大量絶滅が発生してしまう可能性があります。

「ミツバチがこの世からいなくなったら、人間は4年後には生きられなくなる」という有名な言葉があります。

これは、ミツバチは野菜や果物から花粉を集める際に、それらの受粉を手助けしており、ミツバチが絶滅すると受粉効率が大幅に低下して、現在の食料生産に大きなダメージがあると考えられることに起因しています。

同様に、他の生物種がいなくなることで人類が受ける環境の変化は、想定しきれません。

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なぜ絶滅危惧種が増えているのでしょうか。

具体的には、以下のような原因が考えられます。

  • 土地開発・森林伐採
  • 環境汚染
  • 乱獲・密猟
  • 外来種の持ち込み
  • 気候変動

土地開発・森林伐採

人間の生活圏を確保するために、海を埋め立てたり、河川を改修したり、森林伐採を行ったりすることで、そこに生活していた種の生活環境を破壊していることがあります。

実際の例でいうと、ウミガメ(産卵床の破壊)、シマフクロウ(巣となる天然林の伐採)などが挙げられます。

環境汚染

タンカー座礁による海洋への石油流出や、工場排気による大気汚染、鉱山開発による土壌汚染などによって、そこで生活していた動植物に大きなダメージを与えることがあります。

一例として、タガメ(水田への農薬使用)が挙げられます。

人体には影響のない程度の農薬量であっても、水生昆虫であるタガメにとっては高い毒性を示してしまうことがあります。

乱獲・密猟

生物そのものを捕獲することで、急激に個体数が減少して絶滅危惧種になる例もあります。

例えばアフリカゾウは、良質な象牙が手に入るという理由で乱獲され、生息数が激減しました。

外来種の持ち込み

生物には、その地域に昔から生息している「在来種」と、その他の地方から持ち込まれた「外来種」がいます。

また、特定の地域にしか生息していない生物を「固有種」と言います。

日本のように四方を海で囲まれた国の場合、生物種も独自進化を遂げていることが多くあり、固有種も多い傾向にあります。

特に固有種は、その生活環境に合わせて進化してきているため、生活環境が競合する似た種類の生物や、よりサイズの大きな捕食者に対して抵抗する手段がなく、絶滅に追い込まれてしまうケースがあります。

例としては、ニホンザリガニが挙げられます。

ニホンザリガニは日本固有のザリガニ種であり、北海道・青森・秋田・岩手に生息していますが、食用として持ち込まれたウチダザリガニの影響もあり、個体数が減りつつあります。

気候変動

近年の夏の酷暑化や台風の大型化など、人間の生活にも悪影響を及ぼしている気候変動ですが、もちろん動物にとっても大きな問題となります。

例えばホッキョクグマは、地球温暖化の影響をきわめて強く受けます。

北極は陸地がないため、ホッキョクグマは海氷の上で生活しています。

しかし、地球温暖化によって北極海の氷が溶けて減り、生活圏が縮小しているのです。

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上記のような理由から生まれてしまう絶滅危惧種に対して、日本を含む国際社会全体で、様々な対策が講じられています。

ワシントン条約

ワシントン条約は、1973年に採択された、野生動植物の国際取引の規制に関する条約です。

今後絶滅の恐れがあり、保護する必要があると考えられる野生の動植物を、下記の3つに分類し、それぞれの区分ごとに規制が設けられています。

  • 絶滅のおそれのある種で取引による影響を受けている又は受けるおそれのあるもの(附属書Ⅰ)
  • 現在は必ずしも絶滅のおそれはないが、取引を規制しなければ絶滅のおそれのあるもの(附属書Ⅱ)
  • 締約国が自国内の保護のため、他の締約国・地域の協力を必要とするもの(附属書Ⅲ)

それぞれの規制の代表的な例としては、下記の種が挙げられます。

  • 附属書Ⅰ:オランウータン、ウミガメなど
  • 附属書Ⅱ:クマ、ライオンなど
  • 附属書Ⅲ:セイウチ、サンゴなど

絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略

日本では、環境省が『絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略』という生物種保護の対策を策定しています。

この戦略の目的は絶滅危惧種の保全を推進することであり、そのための基本的な考え方と早急に取り組むべき施策を示しています。

保全対策の考え方は、下記の2つを柱として構築されています。

  • 種の特性や減少要因等を踏まえた対策
  • 生息域外保全と野生復帰

前者は、イリオモテヤマネコを例にとって解説します。

イリオモテヤマネコは、西表島にしか生活しないヤマネコの一種です。

イリオモテヤマネコの個体数が減少しているのは、そもそもの生活圏が西表島に限定されていることに加え、交通事故やイエネコ(一般的に飼育されているネコ)からの疫病伝染などが原因と考えられています。

これら、イリオモテヤマネコが減少している要因を取り除くため、道路の下へ動物用のトンネルを作って交通事故をなくす取り組みをしたり、イエネコに対しては、飼い猫登録やワクチン接種、持ち込み時の検疫などの対策が講じられています。

後者は、トキの例が分かりやすいでしょう。

2003年に、国産のトキが絶滅しました。

その後、中国産による人工繁殖と放鳥の取り組みが成功し、現在では個体数が大幅に回復しました。

絶滅危惧種として「野生絶滅」とされていましたが、絶滅の危険性が1ランク低い「絶滅危惧1A類」に指定が変更され、再度の野生化に成功しつつあります。

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こうした取り組みは、国際社会、国家だけが行えばいいというものではなく、現代社会に生きる私たち一人ひとりが取り組んでいく必要があります。

具体的にどのような対策ができるか見ていきましょう。

ゴミを適切に処理する

環境汚染を抑えるために、まずは3Rを意識して、ゴミを極力増やさない生活を心がけましょう。

  • Reduce(リデュース):無駄なゴミの量を減らす
  • Reuse(リユース):一度使用したものをすぐにゴミにしないで、何度も使用する
  • Recycle(リサイクル):使い終わったものをそのまま捨てるのではなく、資源に戻して再び製品化する

また、ハイキングや海水浴など、自然環境の中でのアクティビティを楽しんだ際は、必ずゴミを持ち帰るようにしましょう。森林や海に悪影響があるのはもちろんのこと、野生動物がプラスチック容器を誤食して命を落とすおそれがあります。

乱獲の手助けになるようなものは買わない

ワシントン条約によって規制されている生物種に関する商品が高値で出回っているケースがあります。

例えばアフリカゾウ・アジアゾウは、ワシントン条約の附属書Ⅰ・Ⅱに分類されていますが、これらの象牙を利用した製品は今でも流通しています。

こうした生物に商業的価値があると判断されれば、密猟・乱獲につながるリスクも考えられます。

そのような製品を買わないようにすることで、結果的に密猟や乱獲を防ぐことにつながるかもしれません。

CO₂排出量を減らす行動を意識する

地球温暖化の主な原因は、二酸化炭素(CO₂)をはじめとする温室効果ガスの排出量増加であると考えられています。

2021年度における日本のCO₂排出量を部門別に見てみると、もっとも多いのは産業部門(35.1%)、次いで業務その他部門(17.9%)、運輸部門(17.4%)、家庭部門(14.7%)となっており、家庭からのCO₂排出量も決して少なくありません。

家庭から排出されるCO₂の多くは、電気・ガス・ガソリンの消費に由来するものです。

そのため、電気・ガスの使用量を減らしたり、自動車の利用を控えたりすることで、CO₂排出量を大きく削減できます。

具体的な対策としては、下記のようなものがあるので、無理なく取り組めるものから行ってみましょう。

  • 電車やバスなどの公共交通機関を利用する
  • 省エネタイプの家電製品に買い替える
  • エアコンの設定温度を見直す
  • 使っていない家電製品のコンセントを抜く
  • 再生可能エネルギー重視の電力会社に切り替える

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地球温暖化を防ぐための手段としてぜひ検討してみてほしいのが、「環境に配慮した電気を使う」という選択肢です。

毎日使う電気を環境に配慮したものに変えれば、普段と同じように電気を使っていても、環境に優しい生活が実現できます。

新電力『エバーグリーン』では、家庭の電力使用によるCO₂排出量が実質ゼロになるCO₂フリープラン」をご用意しています。

CO₂フリープランに切り替えることで削減できるCO₂排出量は、一般家庭で年間1,785kgにおよびます。

これは実に、杉の木約130本が1年間に吸収するCO₂量に相当します。

※杉の木1本当たりの年間吸収量14kg-CO₂/年と想定(環境省資料より)

地球温暖化の防止、ひいては生物多様性の保全に関心のある方は、ぜひ一度、エバーグリーンのCO₂フリープランを検討してみてください。

エバーグリーンのホームページはこちら >>

ある生物種の絶滅は、将来の人類にとって悪影響を及ぼす可能性があります。

そのため、絶滅危惧種への対応は、社会全体で取り組むべき課題です。

未来のために、一人ひとりが絶滅危惧種への関心を高め、生物の保全に役立つ行動を起こすことが大切です。

まずは、日常生活の中でできる取り組みから始めてみましょう。

(出典)

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