エアコン暖房の設定温度、平均は?寝るときの適温や電気代の節約術

ライフスタイル
2021年10月28日

この記事では、エアコンの暖房の適切な設定温度について解説します。エアコンの設定温度と電気代の関係や、電気代を節約する方法もご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

目次

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「暖房の設定温度は20℃が推奨」とよく耳にしますが、実際に20℃に設定してみると「寒い」と感じることはありませんか?

実は、この「20℃」という数字には少し誤解されやすいポイントがあります。ここでは、環境省が推奨する温度の本当の意味と、一般家庭のリアルな設定温度の実態について解説します。

まず押さえておきたいのが、環境省が推奨しているのは「エアコンの設定温度」ではなく「室温」が20℃であるという点です。

エアコンを20℃に設定しても、建物の断熱性や外気の冷たさによっては、室内の温度が20℃まで上がらないことがよくあります。特に冷たい空気は足元にたまりやすいため、エアコンのセンサーが「温まった」と判断しても、人がいる場所の体感温度はそれ以下というケースも珍しくありません。

「設定温度を絶対に20℃にしなければならない」と無理をするのではなく、「室温計が20℃前後を示すようにエアコンの設定を調整する」のが正しい目安です。

では、世の中の家庭では実際に何度に設定しているのでしょうか?

パナソニック株式会社がエアコン「エオリア」の利用データを分析した調査(2022年)によると、暖房利用者の設定温度で最も多かったのは「25℃」でした。

また、全体のボリュームゾーンは22℃~25℃となっており、多くの人が推奨される室温(20℃)よりも高めの設定で運転していることがわかります。

【エアコン暖房設定温度の実態】

  • 最多設定温度:25℃
  • ボリュームゾーン:22℃〜25℃
  • 平均室内温度:22℃

※出典:パナソニック「エオリア」調べ(2022年11月30日発表プレスリリースより)

つまり、「20℃設定だと寒い」と感じるのは決してあなただけではありません。多くの家庭で、快適に過ごすために23℃〜25℃前後の設定が選ばれています。

とはいえ、実態に合わせて設定温度を上げすぎると、気になるのが電気代です。

環境省によると、冬の暖房設定温度を1℃低くすると、約10%の消費電力を削減できるとされています。

例えば、普段25℃に設定している場合、それを24℃に下げるだけでも確実な節約効果が期待できます。まずは「普段より1℃だけ下げてみる」ことから始め、後述する「体感温度を上げる工夫」と組み合わせて、快適さと節約を両立させましょう。

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「寝るときは何度?」「赤ちゃんやペットがいる時は?」といった疑問について、空調メーカーや専門機関が公表している目安の温度をご紹介します。

寝るとき(就寝時)の設定温度

冬の夜、エアコンをつけっぱなしにするべきか迷う方も多いですが、空調メーカーのダイキンによると、冬の寝室は「室温20℃前後」が理想的とされています。

布団の中は暖かいため、リビングで過ごす時よりも少し低めの設定でも快適に過ごせる場合が多いようです。

【就寝時のポイント(ダイキン工業推奨)】

  • 就寝30分前にスイッチON:壁や寝具を事前に温めておく。
  • 朝まで「つけっぱなし」運転:室温が下がりすぎると、起床時の体への負担(ヒートショック等)が大きくなるため。
  • 湿度は40〜60%をキープ:加湿器などで乾燥を防ぐ。

※出典:ダイキン工業「冬の睡眠時の困りごとと対処法 | 空気の困りごとラボ | 空気とくらし」

赤ちゃんがいる部屋の設定温度

体温調節機能が未発達な赤ちゃんがいる部屋では、大人が快適と感じる温度よりも少し配慮が必要だと言われています。

東京都福祉保健局の「健康・快適居住環境の指針」では、冬の室温は「20℃〜25℃」、湿度は「50〜60%」が推奨されています。

ただし、赤ちゃんは大人よりも体温が高く汗をかきやすいため、暖めすぎには注意が必要です。直接エアコンの風が当たらないように風向きを調整し、お子様の様子を見ながら調整することをおすすめします。

ペット(犬・猫)がいる場合

ペットとお住まいの場合、人間が不在の留守番中もエアコンで温度管理を行うことが望ましいとされています。

旭化成ホームズが運営する情報サイト「Asu-haus」にて、獣医師監修のもと紹介されている目安によると、犬・猫ともに「20℃〜25℃」が冬に快適に過ごせる室温とされています。

人間が少し肌寒いと感じる20℃でも、被毛のあるペットたちにとっては快適なケースが多いですが、短毛種や高齢のペット、また猫は犬に比べて寒がりな傾向があります。

設定温度を上げなくても、少しの工夫で「体感温度」は上げられます。20℃設定でも寒さを感じないためのポイントをご紹介します。

湿度を上げて体感温度アップ

体感温度は湿度に大きく左右されます。同じ温度でも、湿度が上がると暖かく感じやすくなります。

冬場は乾燥しがちですが、加湿器などを使って湿度を50〜60%に保つことで、設定温度を上げずに快適さをキープできます。ウイルス対策や肌の乾燥対策にもなり一石二鳥です。

風向きは「下向き」+サーキュレーター

暖かい空気は天井付近にたまり、冷たい空気は足元にたまる性質があります。「エアコンをつけているのに足元が寒い」原因の多くはこれです。

エアコンの風向きパネルは「一番下」に向けましょう。さらに、サーキュレーターや扇風機を上に向けて回し、天井にたまった暖気を攪拌(かくはん)することで、部屋全体の温度ムラをなくせます。

「窓」の断熱と服装の工夫

冬、暖房の熱の約58%は「窓」から逃げていくと言われています。窓からの冷気(コールドドラフト)を防ぐことが、暖かさを保つ一番の近道です。

  • 窓の対策:厚手のカーテンや断熱シートを使用する。カーテンは床まで届く長さにすると冷気の侵入を防げます。
  • 服装の工夫:厚着をすれば、少しエアコンの設定温度を下げても、問題なく過ごせるかもしれません。首、手首、足首の「3つの首」を温めるのも効果的です。

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設定温度の調整以外にも、エアコンの使い方ひとつで電気代は大きく変わります。知っておきたい節約術をまとめました。

運転モードは「自動」がおすすめ

電気代を気にして「弱運転」を選んでいませんか?
実は、エアコンは設定温度に達するまでに最も多くの電力を使います。「弱」だと部屋が暖まるまでに時間がかかり、結果的に余計な電気を使ってしまうことがあります。

「自動運転」なら、一気に設定温度まで暖めて、その後は微弱運転でキープするなど、最も効率の良い運転をエアコンが自動で行ってくれるため、節約につながります。

「つけっぱなし」と「こまめに消す」どっちがお得?

「暖房はつけっぱなしの方が安い」という説がありますが、これは外気温や断熱性によります。

パナソニックが実施した検証実験(※)によると、以下の傾向があることが分かっています。

  • 外気温が3℃未満(厳しい寒さ):室温が下がりやすく、再開時の負荷が大きいため「つけっぱなし」がお得な傾向。
  • 外気温が3℃以上:室温があまり下がらないため「こまめに消す(外出時オフ)」方がお得な傾向。

30分程度の短い外出なら「つけっぱなし」、長時間空けるなら「消す」など、状況に合わせて使い分けるのが賢い方法です。

※出典:パナソニック「2022年冬のエアコン節電術」プレスリリースより

フィルターと室外機の掃除

フィルターにホコリがたまると、空気の吸い込みが悪くなり、暖房効率が低下します。環境省によると、2週間に1回フィルター掃除をすることで、消費電力を約6%削減できるとされています。

また、室外機の周りに物を置いたり、雪で埋もれたりしていると排気がスムーズに行かず、電気代が上がってしまいます。冬本番になる前に、室外機周りもチェックしておきましょう。

「設定温度を見直しても、やっぱり冬の電気代が高い…」
そんな時は、エアコンの使い方ではなく、電気の契約そのものを見直すのが一番の近道かもしれません。

電力会社を切り替えて料金単価そのものが安くなれば、無理に設定温度を下げて我慢することなく、家庭全体の電気代を節約できる可能性があります。

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エアコンの暖房の設定温度を適切に保たないと、電気代が高くなったり、体調不良につながるおそれもあります。

上記でご紹介した「20℃」を冬の室温の目安として意識し、エアコンの温度を設定してみてください。

エアコンの暖房にかかる電気代を節約するためには、自動運転に設定したり、風向きを下向きにしたりするなどの方法が効果的です。

また、電力会社を切り替えて、電気代そのものを下げるという方法もあります。

ご自身に合ったプランを探してみましょう。

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