北極の氷融解の深刻な現状
北極の氷は驚異的なスピードで失われており、1979年以降、その減少面積は毎年およそ8.7万㎢にものぼります。
北海道がすっぽりと入ってしまうほどの大きさの海氷が、毎年消え続けています。
この流れは今なお止まらず、2024年9月には観測史上5番目に小さい面積を記録しました。
さらに、このまま温暖化が進むと、最速で2027年の夏には、北極からほぼすべての氷が消えてしまう可能性があることも指摘されています。
北極の氷融解は遠い未来の話ではなく、まさに目前に迫った危機と言えるでしょう。
北極の氷が溶け続けている原因は?地球温暖化との関係
北極の氷が溶け続ける根本的な原因は「地球温暖化」です。
特に、北極は温暖化の影響を極端に受けやすく、その気温上昇のスピードは、地球全体の平均のおよそ3倍にも達しています。
この背景には、一度始まると止まらない「悪循環」があります。
地球を覆う白い氷は、太陽光を80~90%も宇宙に反射し、地球を冷ます役割を担っています。
しかし、温暖化で白い氷が小さくなり、海面が露出すると状況は一変します。
海は太陽の熱を90%も吸収してしまうため、氷が溶けるほど温暖化が加速し、さらに氷が溶けるという悪循環に陥っているのが現状です。
北極の氷が溶けるとどうなる?地球全体におよぼす影響

北極の氷が溶けると、地球全体、そして私たちの暮らしにまで直接影響がおよびます。ここでは、具体的にどのような影響があるのかを、4つの側面から解説します。
「北極の氷が溶けても海面は上昇しない」は本当?
「コップの氷が溶けても水があふれないように、北極の氷が溶けても海面は上昇しない」と考える人もいるでしょう。
確かに、海に浮かんでいる「海氷」が溶けても、海面が大きく上昇することはありません。
しかし、本当に懸念すべきは、陸地の上に乗っている巨大な氷のかたまり「氷床」です。
特に、グリーンランドにある氷床は、島の面積の80%を覆う、北半球最大の氷のかたまりです。
もし、この巨大な氷床がすべて溶けて海に流れ込むと、地球全体の海面は7mも上昇すると予測されています。
そうなれば、バングラデシュのような海抜の低い国々は国土の多くが水没し、多くの人々が住む場所を失うという深刻な事態につながります。
ホッキョクグマをはじめとした生態系全体への危機
北極の氷の減少は、北極圏の生態系の頂点に立つホッキョクグマを絶滅の危機に追い込んでいます。
ホッキョクグマは海氷の上でアザラシを狩るため、氷の融解は死活問題です。
氷の融解時期が1週間早まるだけで体重が10kg減るという調査結果もあり、栄養不足の母グマは良質な母乳を出せず、子グマが育たないという事態も起きています。
現在、野生のホッキョクグマはわずか26,000頭ほど。このままでは21世紀中頃までに3分の1が姿を消すと言われています。
しかし、危機はホッキョクグマだけにとどまりません。
温暖化による海洋酸性化は、海の食物連鎖の土台を支える、殻を持つプランクトンをも脅かしています。
温暖化がもっとも進んでいる北極で起きていることは、やがて世界中の海で起きる可能性があります。生態系の基盤が崩れれば、その影響は計り知れないでしょう。
永久凍土が溶けると未知のウイルスが拡散するリスクも
北極圏の広大な大地の下には、「永久凍土」と呼ばれる、長期間凍結したままの土壌が広がっています。
しかし、温暖化によってこの永久凍土が溶け始めています。
永久凍土の融解は「感染症の時限爆弾」とも呼ばれ、新たな感染症のリスクをもたらす可能性が指摘されています。
実際、2016年には、シベリアで永久凍土から溶け出した炭疽菌(たんそきん)によって、トナカイ2,000頭以上と一人の少年が命を落としました。
さらに、永久凍土から発見された3万年前の未知のウイルスが、現代でも増殖可能だったことも確認されています。
私たちが免疫を持たない古代のウイルスが蘇り、世界に拡散するリスクも、無視できない脅威であると言えるでしょう。
北極の温暖化は日本の異常気象にも関連
遠い北極で起きている氷の融解は、一見すると日本への影響はないように思われるかもしれません。
しかし、近年の日本の記録的な猛暑は、北極の温暖化が引き起こす「偏西風の蛇行」と深く関連しています。
本来、偏西風は北極と赤道の大きな温度差によって、東西方向に強く安定して流れます。
しかし、温暖化でその温度差が縮まると、偏西風は勢いを失い、南北に大きく蛇行しやすくなります。
例えば、2024年夏の記録的な高温は、偏西風が北へ蛇行し、暖かい空気が日本上空に居座り続けたことが原因です。
このように、北極の氷の減少は、日本の異常気象に直接つながっています。
未来の地球のために私たちができる対策とは
北極の氷が溶け続け、地球温暖化の加速が深刻化する今、私たちはどのような対策を取れば良いのでしょうか。
ここでは、家庭でできる手軽で効果的な地球温暖化対策をご紹介します。
家庭からのCO₂排出も北極の氷が溶ける一因
地球温暖化の最大の原因である二酸化炭素(CO₂)。実は、私たちの日常生活からも多くのCO₂が排出されています。
そのなかでも、特に大きな割合を占めているのが「電気の使用」です。
国立環境研究所によると、家庭から出るCO₂排出量のうち、およそ半分は電気の使用によるもの。
私たちが毎日何気なく使っている電気が、巡り巡って北極の氷を溶かす一因につながっています。
再生可能エネルギー由来の電気を選んでCO₂排出を減らそう
家庭でできるCO₂削減対策といえば、節電や省エネを思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし、実はもっとも効果的なのが「電気の見直し」です。
電気は発電方法によってCO₂排出量が大きく異なります。
例えば、石炭や天然ガスを燃やす火力発電は多くのCO₂を排出しますが、太陽光や風力、バイオマスといった自然の力を利用する「再生可能エネルギー」は、発電時にCO₂をほとんど排出しません。
毎日使う電気を再生可能エネルギー由来のものに切り替えることで、家庭からのCO₂排出量を効果的に削減できます。
日常生活の中で無理なく始められるおすすめの方法なので、ぜひこの機会に「環境に優しい電気」への切り替えを検討しましょう。
環境に優しい電気ならエバーグリーンがおすすめ

環境に配慮したエコな電気に切り替えるなら『エバーグリーン』がおすすめです。
ここでは、エバーグリーンの特徴やメリット、ライフスタイルに合わせて選べるプランをご紹介します。
切り替えるだけで家庭のCO₂排出量が実質ゼロに!
エバーグリーンは、イーレックスと東京電力エナジーパートナーが、脱炭素社会の実現に向けて設立した共同出資会社です。
最大の特徴は、すべてのプランで再生可能エネルギー100%のエコな電気を提供していること。
エバーグリーンに切り替えるだけで、ご家庭の電気使用によるCO₂排出量を実質ゼロにできます。
具体的には、一般的なファミリー世帯の場合、1ヶ月あたり約148kgものCO₂を削減できます。これは、杉の木およそ11本分の植林効果に相当する大きな環境貢献です。
※CO₂排出量は令和3年度全国平均係数(0.434kg-CO₂/kWh)をもとに計算
※植林効果は「森林の二酸化炭素吸収力」(関東森林管理局/林野庁)をもとに、杉の木1本当たりの年間CO₂吸収量を14kgとして計算
エバーグリーンに切り替えることで、環境に配慮した生活を無理なく実現できます。詳しくは公式サイトをご覧ください。
「安心」「おトク」も叶う!選べる3つのプラン
エバーグリーンでは、環境への優しさに「安心」や「おトク」をプラスした、ユニークなプランをご用意しています。
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一定の電気使用量まで料金が定額になるプラン。ライフスタイルに合わせて5つのプランから使用量を選べます。毎月の家計管理をシンプルにできるのがメリット。 - あるく・おトク・でんき
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個人賠償責任保険と電気がセットになったプラン。電気料金を支払うだけで、家族みんなの日常のリスクに備えられます。自転車保険の代わりにも◎。
各プランの詳細は、エバーグリーンの公式サイトをご覧ください。
エバーグリーンへの切り替え申し込みはWebサイトからわずか5分程度で完了します。
現在契約している電力会社への連絡も不要で手軽に切り替えられるため、ぜひこの機会にエバーグリーンのエコな電気をご検討ください。
私たち一人ひとりの選択で地球の未来を守ろう
地球温暖化の悪化に伴い、北極の氷は刻一刻と姿を消しています。その影響は、ホッキョクグマなどの生き物だけにとどまらず、遠く離れた日本に住む私たちにもおよんでいます。
こうした状況のなか、未来の地球を守るためには、私たち一人ひとりが温暖化対策に取り組むことが重要です。
家庭で使う電気が、CO₂を排出しないクリーンな電気に変わること。その小さな一歩が、北極の氷を守り、次の世代の未来を守る力になります。
エコな電気を届けるエバーグリーンへの切り替えを、ぜひこの機会にご検討ください。
- 出典:
- ウェザーニュース|北極圏の氷が消える? 日本に及ぼす影響は?
- JAMSTEC BASE|「北極の氷がとけたら日本で何が起こる?」 北極研究者が考える影響とそのワケ ――地球にとって「北極」はどんな場所?
- JCCCA 全国地球温暖化防止活動推進センター|vol.5 世界で一番早く、そして深刻な影響が出ている北極
- 環境省「デコ活」|北極海の海氷消滅で地球温暖化が加速化の危機!? 地球全体に与える影響と新たな航路の可能性
- 笹川平和財団|氷の島グリーンランドで何が起きているのか 〜気候変動が北極の自然環境と社会に与える影響〜
- JAXA|北極・南極の海氷減少
- WWFジャパン|【解説アリ】ホッキョクグマ残りおよそ26,000頭
- 日経ビジネス|ホッキョクグマから微生物まで、永久凍土の融解と生態系の変化
- 日経ビジネス|永久凍土に眠るウイルスと感染症のリスク
- 防災ニッポン|異常気象の原因は偏西風の蛇行?偏西風と気象の関係について解説
- JAMSTEC BASE|今夏の異常な暑さの原因は?偏西風の蛇行、そして8年ぶりの現象とは ~「季節予測研究」で何が見えるのか
- 関西テレビ放送株式会社「カンテレ」|日本も世界も“異常気象” 「未知の領域」と国連 アメリカでは“54度”に 偏西風の蛇行が猛暑・豪雨とともに大雪ももたらす 温暖化対策できなければ「四季が“二季”になる」と専門家が警鐘鳴らす
- 国立研究開発法人国立環境研究所|日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2023年度)