カーボンフットプリントとは?意味や計算方法、企業の取り組み事例をわかりやすく解説

ライフスタイル
2025年10月28日

私たちが使う商品やサービスは、原材料の調達から製造、廃棄に至るまで、さまざまな過程で温室効果ガスを排出しています。その総量を「見える化」する仕組みが「カーボンフットプリント」です。この記事では、カーボンフットプリントの意味や計算方法、企業の取り組み事例、そして個人でできる効果的なCO₂削減アクションを具体的に解説します。

目次

カーボンフットプリントとは?EUでは義務化の流れも

世界各地で頻発する異常気象や、生態系への影響など、私たちの暮らしを脅かす地球温暖化。

この深刻な問題を食い止めるため、世界の国々は「カーボンニュートラルの実現(温室効果ガスの排出を実質ゼロにすること)」という共通の目標を掲げ、一丸となって対策を進めています。

このカーボンニュートラルの実現に不可欠な仕組みとして、今注目されているのが「カーボンフットプリント」です。

カーボンフットプリントとは、商品やサービスが原材料の調達から製造、使用、そして廃棄・リサイクルされるまでの「一生」で排出する温室効果ガスを「見える化」する仕組みのこと。

排出された温室効果ガスは、すべてCO₂量に換算して示されます。

EU(欧州連合)では表示の義務化が進むなど、すでに世界的な潮流となっており、その重要性はますます高まっています。

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どうやって計算するの?カーボンフットプリントの計算方法

CO₂マークと緑の電卓を組み合わせたデザイン。カーボンフットプリントや温室効果ガス削減をイメージ。

カーボンフットプリントの計算は、ISOなどの国際基準や、経済産業省・環境省が公表する「CFP実践ガイド」などの信頼できるルールに沿って行われます。

具体的には、下記の3つのステップで算出されます。

  1. 製品のライフサイクルを、細かいプロセスに「分解」する
  2. プロセスごとに、排出量を「計算」する
  3. すべてのプロセスの排出量を「合計」する

①製品のライフサイクルを、細かいプロセスに「分解」する

まず、算定したい製品の一生(ライフサイクル)を、モノ・工程(プロセス)に細かく分解します。例えば、スマートフォンの場合、「部品の原材料調達」「部品の製造」「本体の組み立て」「お店への輸送」などのプロセスに分けていきます。

②プロセスごとに、排出量を「計算」する

次に、分解したプロセスごとに、どれだけ温室効果ガスが排出されたかを計算します。計算式は「活動量 × 排出係数」です。

「活動量」とは、原材料の重量や製造における電力投入量、輸送距離などのこと。「排出係数」は、その活動によってどれだけ温室効果ガスが出るかを示す数値で、「電気を1kWh使うとCO₂が〇g出る」といったように、あらかじめ定められています。

③すべてのプロセスの排出量を「合計」する

最後に、すべてのプロセスで計算した排出量を足し合わせます。こうして、製品のライフサイクル全体でのカーボンフットプリントが算出されます。

カーボンフットプリントで環境負荷を「見える化」するメリット

目に見えないCO₂排出量を、具体的な数値で「見える化」するカーボンフットプリント。

環境負荷を「見える化」することで、私たち消費者や企業には具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。それぞれの視点から詳しく見ていきましょう。

消費者は「より低炭素な商品」を選べるようになる

カーボンフットプリントで環境への影響が「見える化」される最大のメリットは、私たちの日々の買い物が、地球の未来を考えるアクションに変わることです。

CO₂排出量が具体的な数値でわかることで、私たちはより環境負荷の低い商品を、自分の意思で選べるようになります。

そして、その一つひとつの選択は、環境問題に真摯に取り組む企業への応援にもなります。

こうしたカーボンフットプリント活用の動きが社会全体に広がれば、カーボンニュートラルの実現を後押しする大きな力となります。

企業は「効果的なCO₂削減」に取り組めるようになる

企業にとっても、カーボンフットプリントはCO₂削減を効果的に進めるための強力なツールです。

カーボンフットプリントを算出することで、自社のサプライチェーン(原材料の調達から製造、輸送までの一連の流れ)の中で、どこから多くのCO₂が出ているのかを正確に特定できます。

CO₂排出量が課題となっている工程がわかれば、その部分を集中的に対策できるため、より効率的なCO₂削減が可能になります。

カーボンフットプリントの課題

中央にCO₂マークを配置し、再エネやリサイクルなど環境保全アイコンが並ぶサステナブルなイメージ。

カーボンニュートラル実現のカギとなるカーボンフットプリントですが、その算定には大きな課題があります。

特に大きな課題となっているのが、サプライチェーン全体のデータを集める難しさです。

企業が自社の工場で使う電気の量などを把握するのは比較的簡単ですが、製品には国内外のたくさんの取引先から調達した、数多くの部品や原材料が使われています。

そうした取引先一つひとつの工場で、どれだけCO₂が排出されたかというデータまで集めるのは、多大な手間と時間がかかります。現状では、取引先がデータを把握していないケースも少なくありません。

この課題を解決するため、日本では産業技術総合研究所がデータベースを開発するなど、企業の負担を減らすための研究も進められています。

カーボンフットプリントの表示例

カーボンフットプリントは、製品のパッケージやタグ、企業のWebサイトなど、私たちの目に触れやすい場所に表示されます。

消費者が正しく情報を理解できるよう、その表示方法には「カーボンフットプリント表示ガイド」など、国が示すガイドラインにもとづいたルールが定められています。

ルールでは、カーボンフットプリントを表示する際は、下記を併記することとしています。

  • カーボンフットプリントの算定結果(単位:kg-CO2e)
  • 算定の背景となる情報

まず、製品の一生全体で排出されるCO₂量の合計値が「kg-CO2e」という単位で示されます。「kg-CO2e」は、CO₂以外の温室効果ガスもCO₂量に換算して計算していることを示す単位です。

さらに、合計値だけでなく、算定の対象としたライフサイクルステージ(例:原材料調達から廃棄・リサイクルまで)や、根拠となる算定報告書へのアクセス方法なども明記されます。

例えば、環境省のモデル事業に参加したチヨダ物産株式会社の紳士靴の事例では、商品のタグに排出量の合計値を示し、さらにタグ裏面のQRコードを読み込むことで、詳しい背景情報をWeb上で確認できるようにしていました。

企業のカーボンフットプリントの取り組み事例

近年、各業界を代表する企業が続々とカーボンフットプリント表示や温室効果ガス削減に取り組んでいます。

ここでは、カーボンフットプリントに取り組む企業の先進的な事例を紹介します。

佐川急便:「飛脚宅配便」のCO₂排出量を算定し再配達削減を呼びかけ

佐川急便株式会社は、「飛脚宅配便」1個あたりのCO₂排出量を算定しました。

その結果、荷物1個あたりの排出量は1.25 kg-CO2eであり、「1回の再配達につき、さらに14%増加する」ことがわかりました。

この結果を踏まえ、同社は再配達による影響を伝票台紙に印字するなど、私たち消費者に環境負荷低減への協力を呼びかけています。

アシックス:CO₂排出量を抑えたシューズ開発と積極的な情報公開

スポーツ用品メーカーの株式会社アシックスは、製品へのカーボンフットプリント印字やシューズボックスへのステッカー貼付など、積極的な取り組みを進めています。

2023年には、CO₂排出量を当時の市販スニーカーの中でもっとも低く抑えた「GEL-LYTE III CM 1.95」を、2024年にはリサイクルしやすいランニングシューズ「NIMBUS MIRAI」を発売しました。

「2050年までにCO₂排出量実質ゼロ」という企業目標の達成に向けた強い意志が伺える事例です。

私たちにできること|「選ぶ」ことで気候変動対策に参加しよう

カーボンフットプリントの算定は、サプライチェーン全体のデータを集めるなど大変な労力がかかり、表示がすぐに企業の売上につながるわけではありません。

それでも表示するということは、その企業が温室効果ガス削減に本気で取り組んでいる「決意表明」と言えるでしょう。

私たち消費者がカーボンフットプリント表示のある商品を意識して選ぶことは、環境問題に真摯に取り組む企業への力強い後押しとなります。

こうした環境に配慮した買い物が社会全体に広がれば、やがてカーボンフットプリントは「ものを選ぶ当たり前の基準」となり、脱炭素を目指す企業がさらに増えていくでしょう。

「電気」の見直しもCO₂排出削減の大きなカギ

カーボンフットプリント表示商品を選ぶことに加え、家庭のCO₂排出量をさらに大きく削減するカギが、毎日の生活に欠かせない「電気」の見直しです。

実は、家庭から出るCO₂排出量のおよそ半分は、電気の使用によるもの

暮らしに欠かせない電気だからこそ、「どのような発電方法でつくられたのか」に目を向けることが重要です。

電気の作り方には、CO₂を多く排出する火力発電と、太陽光や風力などCO₂をほとんど排出しない再生可能エネルギーによる発電があります。

家庭で使う電気を再生可能エネルギー由来のものに切り替えれば、家庭のCO₂排出量を大きく削減できる可能性があります。

さらに、いったん環境に優しい電気に切り替えれば、その後も無理なく継続的にCO₂を削減できる点も嬉しいポイントです。

未来の地球のために、ぜひ家庭の電気も見直しましょう。

エバーグリーンの電気で環境に配慮した暮らしを実現しよう

窓辺に飾られた観葉植物とやわらかな自然光。心地よいエコな暮らしをイメージしたインテリア。

「家庭の電気を見直して、環境貢献への第一歩を踏み出したい」とお考えなら、電力会社『エバーグリーン』への切り替えがおすすめです。

エバーグリーンは、国内有数のバイオマス発電事業者であるイーレックスと東京電力エナジーパートナーが共同で設立した、脱炭素社会の実現を目指す電力会社。

提供するすべてのプランで、再生可能エネルギー100%のエコな電気を届けているのが特徴です。

切り替えるだけで家庭のCO₂排出量が実質ゼロに!

エバーグリーンのエコな電気に切り替える最大のメリットは、家庭の電気使用によるCO₂排出量を実質ゼロにできることです。

具体的には、一般的なファミリー世帯が切り替えた場合、1ヶ月あたり約148kgものCO₂を削減できます。これは、杉の木およそ11本分の植林に相当する効果です。

※CO₂排出量は令和3年度全国平均係数(0.434kg-CO₂/kWh)をもとに計算
※植林効果は「森林の二酸化炭素吸収力」(関東森林管理局/林野庁)をもとに、杉の木1本当たりの年間CO₂吸収量を14kgとして計算

普段の生活を変えなくても、電気を切り替えるだけでこれだけ大きな環境貢献を実現できるのがエバーグリーンの魅力です。

スマートゼロプランで、地球にも家計にも優しい選択を

エバーグリーンがご提案する「スマートゼロプラン」は、日々の暮らしの中で無理なく環境貢献と電気代の節約を両立したい、と考える方に最適な料金プランです。

  • 月々の電気代は「使った分だけ」
    スマートゼロプランには、毎月定額で請求される「基本料金」がありません。電気を使った分だけをお支払いいただくシンプルな料金体系なので、電気代の無駄をなくし、家計の負担を軽減します。
  • Amazonギフト5,000円分プレゼント
    新規でご契約いただいたお客さまには、特典としてAmazonギフト5,000円分をプレゼントしています。エバーグリーンからの感謝を込めた、ささやかな贈り物です。

切り替え申し込みはWebサイトからわずか5分程度で完了します。現在の電力会社への解約連絡はエバーグリーンが代行するため、手間もほとんどかかりません。

エバーグリーンの電気で、地球にも自分にも優しい生活を始めましょう。

一人ひとりの選択で、地球の未来を守ろう

カーボンフットプリントを理解し、日々の行動を変えることは、地球の未来を考えるうえでとても重要です。

「表示のある商品を探し、選んで買うこと」、そしてより大きなインパクトを持つ「電力会社を切り替えること」。

こうした行動の積み重ねによって、私たち一人ひとりが気候変動対策の担い手になれます。未来の地球のために、まずは家庭の電気の見直しから始めてみませんか?

エバーグリーンは
環境に配慮した電気を
供給することで
皆さまの暮らしを支えます

  • Point
    1

    CO₂排出量が実質ゼロの電気

    実は、家庭から排出されるCO₂の約半数は電気の使用によるもの。エバーグリーンの電気をご利用いただくと、これを実質ゼロに抑えることができます!

  • Point
    2

    安心・安全の供給体制

    エバーグリーンは、再生可能エネルギーのリーディングカンパニーであるイーレックスと、東京電力エナジーパトナーの共同出資により創設した企業です!

  • Point
    3

    充実のサポート体制

    電気のトラブル時に迅速に駆け付ける「でんきレスキュー」 サービスなど、万が一の際もご安心いただけるサポート体制を整えています。

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