メタネーションとは?CO₂を資源に変える仕組みと原理
メタネーションとは「発電所などから回収した二酸化炭素(CO₂)と水素(H₂)を反応させて、都市ガスの主成分であるメタン(CH₄)を作り出す技術」のことです。
その原理には、100年以上前に発見された「サバティエ反応」という化学反応が使われています。触媒(主にニッケル)を使って高温・高圧の状態で反応させることで、メタンと水が生まれます。
- 化学式:CO₂ + 4H₂ → CH₄ + 2H₂O
メタネーションによりつくられた合成メタンは、ガスの脱炭素化を実現する重要なカギとなります。また、既存インフラを活用できる脱炭素技術として、国のグリーン成長戦略でも重要視されています。
なぜ「カーボンニュートラル」につながるのか
メタネーションが環境に良いとされるのは、大気中のCO₂を実質的に増やさないからです。
メタネーションでは、工場や発電所から排出されたCO₂を回収し、それを原料として合成メタンを製造します。
合成メタンを燃やすと再びCO₂が排出されますが、それは元々回収したCO₂が大気中に戻っただけであり、CO₂排出量はプラスマイナスゼロとなります。

さらに、メタネーションの原料となる水素を製造する際に太陽光などの再生可能エネルギーを使用すれば、製造から利用まで徹底して環境負荷を抑えることも可能です。
地球温暖化の原因となるCO₂を「資源」として循環利用することで、持続可能なエネルギーシステムの実現が期待されています。
メタネーションが注目される3つのメリット

メタネーションには、日本のエネルギー政策で重視される「3E(経済効率・安定供給・環境適合)」に当てはまる3つのメリットがあります。
①既存の都市ガスインフラや設備をそのまま使用できる
メタネーションの大きなメリットは、社会全体の脱炭素化コストを抑えられる点です。
合成メタンは天然ガスと成分がほぼ同じなので、既存のガス管や、ご家庭のガスコンロ、給湯器などを買い換える必要がありません。
今の設備をそのまま使いながら、スムーズに脱炭素へ移行できる技術として注目されています。
②災害への強さを維持しながら脱炭素化できる
災害の多い日本において、台風や豪雨の発生時にエネルギーの供給が止まらないことは非常に重要です。
都市ガスのパイプラインは地中に埋められているため、台風などの被害を受けにくいという特徴があります。
実際、令和元年台風(第15号・第19号)の際も、電力インフラなどに大規模な被害が発生する一方で、ガスインフラの支障件数は非常に少なかったことが報告されています。
「災害に強いネットワーク」を維持したまま脱炭素化できる点は、メタネーションの大きな強みです。
③再生可能エネルギーを無駄なく活用できる
太陽光や風力といった再生可能エネルギーは、天候や時間帯によって発電量が大きく変わり、使いきれない電気が余ってしまう場合があります。
現在、再エネの導入が進むなかで、こうした余剰電力が増えていることが指摘されています。
この課題への対策として注目されているのがメタネーションです。
余剰電力を活用して水素をつくり、その水素をCO₂と反応させてメタンに変換することで、余ったエネルギーを長期保存や輸送に適したガスへと変えられます。
再生可能エネルギーで生み出した電気を無駄にせず、必要なときに取り出せる形で確保しながら、エネルギーの安定供給にもつなげられる手段として、大きな期待を集めています。
日本や世界におけるメタネーション推進の取り組み事例
脱炭素社会の実現を目指すにあたり、大きな注目を集めているメタネーション。日本政府は「2030年に1%、2050年には90%を合成メタンに置き換える」という目標を掲げ、官民一体となって取り組みを加速させています。
ここでは、国内で進む注目のプロジェクトと、海外の先進的な取り組みを紹介します。
【日本】世界最大級の実証プラント(新潟県・長岡)
国内でも特に注目されているのが、INPEXと大阪ガスが進めるプロジェクトです。

新潟県長岡市に建設中の設備は、合成メタンの製造能力が1時間あたり400N㎥-CO₂(一般家庭約10,000戸分)と世界最大級の規模を誇ります。
2026年中に実証実験の開始が予定されており、実際に合成メタンをパイプラインへ注入して家庭へ届ける、商用化への大きな一歩として期待されています。
【日本】地域の「ゴミ」や「下水」を資源に(東京・愛知)
都市インフラと連携した、地域密着型の実証も進んでいます。
東京ガスや三菱重工業は横浜市と連携し、清掃工場の排ガスからCO₂を回収して活用する取り組みを実施しています。
また、東邦ガスは愛知県知多市にて、下水処理場の汚泥から出るバイオガス由来のCO₂を利用した合成メタンの製造実証を開始。生成された合成メタンを、実際に都市ガスの原料として活用しています。
地域の悩みの種になりがちな廃棄物をエネルギー資源に変える、画期的な試みとして注目されています。
【海外】ドイツ・アウディの先進的な「e-gas」実用化
ヨーロッパではメタネーション推進の取り組みが非常に活発で、これまでに多数の実用化プロジェクトが立ち上がっています。
なかでも代表的なのが、ドイツの自動車メーカー・アウディの事例です。
2013年から「Audi e-gas」プラントを稼働し、風力発電の電気を利用して合成メタンをつくる取り組みを進めています。生成された合成メタンは、天然ガス自動車の燃料としてすでに実用化されており、世界に先駆けた成功事例として知られています。
【海外】フランス初の産業規模プロジェクト「Jupiter 1000」
フランスでも、同国初となる産業規模の実証プロジェクト「Jupiter 1000」が進行中です。
ガス輸送事業者が中心となり、再生可能エネルギー由来の水素や合成メタンを製造して、既存のガス導管へ注入・貯蔵する取り組みを進めています。
2050年までに大規模なガス製造を目指す構想の足掛かりとして、世界中から注目を集めています。
メタネーション実用化に向けて解決すべき課題と問題点
メタネーションの実証実験など、基盤技術開発は着実に進んでいますが、本格的な商用化を実現するためには乗り越えるべき大きな壁が残されています。
メタネーション設備の大規模化
まず求められるのが、合成メタンを作る設備の規模の拡大です。現在の技術では、海外の先進事例でも1時間あたり数十~数百N㎥の生成が限界です。
しかし、商用化レベルに達するには、生成規模を1時間あたり10,000〜60,000N㎥まで引き上げなければなりません。現状と比較して、実に数百倍から数千倍近いスケールアップが求められています。
合成メタン製造コストの低減
メタネーションの商用化には、経済性の確保が不可欠です。
専門機関の報告によると、LNG(液化天然ガス)価格は2021年時点で40円~50円/N㎥-CH₄ですが、国内製造の合成メタンの供給費用は167円~203円/N㎥-CH₄と試算されており、LNG価格の3~5倍に達しています。
合成メタンを普及させるには、供給コストを現在のLNG価格と同水準まで下げる必要があります。
そのカギを握るのが、原料となる「水素」と「CO₂」の調達コストです。合成メタンの原料をいかに安価に確保できるかが、実用化への大きな分かれ道となります。
エバーグリーンのエコな電気で、地球に優しい暮らしの第一歩を

メタネーションは現在商用化に向けての実証段階にある技術ですが、私たちが今すぐ家庭でできる環境貢献もあります。それが「電気の切り替え」です。
『エバーグリーン』は、バイオマス発電大手のイーレックスと東京電力エナジーパートナーが、脱炭素社会の実現に向けて設立した共同出資会社です。
すべてのプランで「再生可能エネルギー100%」のエコな電気を提供しています。
切り替えるだけでCO₂排出量が実質ゼロに!
一般的なファミリー世帯がエバーグリーンの電気に切り替えると、家庭の電気使用によるCO₂排出量を実質ゼロに抑えられます。
実は、家庭からのCO₂排出量のうち、約半分は電気の使用に由来します。エバーグリーンに切り替えるだけで、家庭からのCO₂排出量を無理なく継続して削減できるのが大きなメリットです。
一般的なファミリー世帯の場合、切り替えによる具体的な環境貢献は以下の通りです。
【エバーグリーンへの切り替えによる環境貢献(1世帯・1ヶ月あたり)】
| CO₂削減量 | 約127kg |
| 杉の木の植林効果への換算値 | 約9本分 |
エバーグリーンのこれまでの累計CO₂削減量は3億9,822万kgに達しており、植林効果に換算すると2,845万本分にもなります。
すでに19万件以上の家庭が、エバーグリーンの電気で地球に優しい暮らしを始めています。ぜひこの機会に、エバーグリーンへの切り替えを検討してみませんか?
※CO₂排出量は令和5年度全国平均係数(0.423kg-CO₂/kWh)をもとに計算
※植林効果は「森林の二酸化炭素吸収力」(関東森林管理局/林野庁)をもとに、杉の木1本当たりの年間CO₂吸収量を14kgとして計算
「スマートゼロプラン」で地球にも家計にも優しい選択を
エバーグリーンに切り替えるなら、おすすめなのが『スマートゼロプラン』です。環境だけでなく、家計にも嬉しい料金設計が魅力です。
- 基本料金が0円
スマートゼロプランは、毎月の基本料金が0円です。使った分だけ支払う仕組みなので、出張や旅行などで電気の使用量が少ない月も無駄な固定費がかかりません。 - 単価が一律でおトク
電気を使えば使うほど単価が高くなる一般的なプランとは違い、どれだけ使っても単価は一律。ペットがいる家庭や大家族など、電気を多く使う方ほどメリットが出やすい料金設計です。
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申し込みはWebから5分程度で完了します。現在の電力会社への解約連絡もエバーグリーンが代行するため、手間なくスムーズに、環境に配慮した生活をスタートできます。
※Amazonギフトカード提供の適用条件はエバーグリーン公式サイトをご確認ください
メタネーションへの理解を深めて、持続可能な未来へ一歩踏み出そう
メタネーションは、今ある設備を活かしながら、災害に強く環境にも優しい社会を作るための技術です。
国や企業が技術開発を進める一方で、私たち一人ひとりにもできることがあります。例えば、暮らしに欠かせない電気を地球に優しいものに切り替えるのは、家庭でできる効果的な環境貢献のひとつです。
ぜひこの機会にエバーグリーンのエコな電気に切り替えて、地球の未来を守るための一歩を踏み出しましょう。
メタネーションについてのよくある質問(Q&A)
メタネーションは本当にカーボンニュートラルにつながるの?
はい。「合成メタンを燃やすとCO₂が出るのでは?」と思う方も多いですが、メタネーションで使うCO₂は工場や発電所からあらかじめ「回収した」ものです。
燃焼時に排出されるCO₂は、もともと大気中にあったCO₂が戻るだけなので、大気中のCO₂の総量は増えません。
メタネーションが実用化したら今のガスコンロは使えなくなる?
そのまま使用できます。メタネーションで製造される合成メタンは、天然ガスと成分がほぼ同じです。そのため、既存のガス管はもちろん、ご家庭のガスコンロや給湯器をそのまま使い続けられます。
メタネーションの実用化に向けた取り組みは?
日本政府は「2030年に都市ガスの1%、2050年には90%を合成メタンに置き換える」目標を掲げ、官民一体で取り組みを進めています。
海外ではドイツ・アウディが2013年から風力発電を使った合成メタン製造を実用化しており、フランスでも産業規模プロジェクト「Jupiter 1000」が動いています。
- 出典:
- 経済産業省資源エネルギー庁|ガスのカーボンニュートラル化を実現する「メタネーション」技術
- 東京ガス株式会社|e-メタンとは?メタネーションとは?
- 日本LPガス協会|グリーンLPガスの⽣産技術開発に向けた研究会 報告書
- 株式会社日立総合計画研究所|メタネーション
- EnviCare® Engineering GmbH|Power-to-gas (P2G) plant – excess electricity can be stored in the form of biomethane!
- 経済産業省資源エネルギー庁||災害に強い都市ガス、さらなるレジリエンス向上へ
- 経済産業省資源エネルギー庁||1.S+3E
- INPEX|Nagaoka Methanation Demonstration Project
- INPEX|世界最大級のメタネーションによるCO2排出削減・有効利用実用化技術開発事業における試験設備のプラント本工事着手について
- 横浜市|ごみ焼却⼯場の排ガスからの CO2回収とメタネーションへの利⽤実証の開始〜横浜市・東京ガス・三菱重⼯グループによる地域連携での CCU 共同実証〜
- 東邦ガス株式会社|Medium-Term Management Plan 2022-2025
- STORE&GO|Power-to-gas Technologies
- Audi|Power-to-gas plant
- energynomics|Audi plant that turns wind power to gas can balance grid
- Gröna Mobilister|Audi e-gas-project
- Jupiter1000
- 経済産業省|合成メタン等の製造・供給費用試算
