アンモニア燃料とは?メリットやデメリット、企業での取り組み事例をわかりやすく解説

ライフスタイル
2026年3月26日

農業用肥料としておなじみの「アンモニア」が、脱炭素社会を実現する次世代燃料として世界中から注目を集めています。この記事では、アンモニア燃料の概要やメリット、企業の取り組み事例、実用化に向けた課題まで詳しく解説。さらに、私たちが今すぐ家庭で取り組める環境対策についても紹介します。

目次

アンモニア燃料とは?

理科の授業や肥料でおなじみのアンモニア(NH₃)は、窒素(N)と水素(H)だけでできたシンプルな化合物です。

炭素(C)を含まないため、燃やしても地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO₂)を一切排出しない「カーボンフリー燃料」として、大きな注目を集めています。

アンモニアの既存用途と新たな用途を解説する画像

※出典: 経済産業省資源エネルギー庁

同じくCO₂を出さないクリーンなエネルギーとして知られる水素と並び、脱炭素社会を実現するための切り札として期待されています。

こうした動きは国の政策にも反映されています。2025年2月に閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」では、水素・アンモニアの導入拡大が日本のエネルギー政策の重要な柱のひとつとして明確に位置づけられました。

政府は2050年のカーボンニュートラル達成に向けた第一歩として、2030年度の発電量のうち1%を水素・アンモニア由来とすることを目指しています。

アンモニア燃料が注目される4つのメリット

「AMMONIA」と大きく表記されたタンクローリーが道路を走行する写真。次世代燃料としてのアンモニアの輸送・流通を示す画像。

アンモニア燃料には、カーボンニュートラルの実現につながる4つのメリットがあります。

燃焼時にCO₂を排出しない

アンモニア燃料の最大のメリットは、燃焼させてもCO₂がまったく発生しないことです。

現在、日本の電力の大部分を支える火力発電では、石炭や石油、天然ガスを燃やすことで大量のCO₂が排出されています。

こうした化石燃料の一部、またはすべてをアンモニアに変えれば、発電所からのCO₂排出量を大きく減らせるため、電力分野の脱炭素化を強力に推進できます。

既存のサプライチェーンや設備を活用できる

アンモニアは、肥料の原料などとして、100年以上にわたって世界中で生産・利用されてきた歴史があります。

そのため、輸送のためのパイプラインや船、貯蔵設備といった国際的な物流ネットワーク(サプライチェーン)がすでに確立されています。ゼロからインフラを整備する必要がないという点も、アンモニア燃料の大きな強みです。

さらに、石炭火力発電所も、バーナーなど既存の設備を一部改造するだけでアンモニアを燃料として使えるようになるため、比較的スムーズに社会へ導入できると期待されています。

水素よりも運搬・貯蔵しやすい

水素を液体にして運ぶには、-253℃という極低温まで冷やす必要があるうえに、大量に輸送するには大きなコストがかかります。

一方、アンモニアは-33℃まで冷やすか、少し圧力をかけるだけで液体になります。また、輸送インフラが発展途上にある水素とは異なり、アンモニアの輸送技術はすでに世界中で確立されています。

水素より運搬・貯蔵が容易で、設備がすでに整っている分、より低コストで社会に導入できる点もアンモニア燃料のメリットです。

水素キャリアとして活用できる

アンモニアは燃料としてだけでなく、水素を運ぶ「水素キャリア」としての役割も期待されています。

気体の水素はそのままでは運びにくいため、一度アンモニアに変換して輸送し、使う場所で再び水素に戻すという仕組みです。

アンモニアは水素を豊富に蓄えられる性質を持つため、効率的な大量輸送が可能です。自らが燃料になるだけでなく、水素社会の普及も後押しする、まさに「一石二鳥」のエネルギーと言えます。

アンモニア燃料普及における課題・デメリット

将来性が期待されるアンモニア燃料ですが、本格的な普及に向けては、乗り越えなければならない課題も存在します。

燃焼時に発生するNOx(窒素酸化物)の抑制

アンモニアは窒素(N)を含むため、燃焼する際にNOx(窒素酸化物)が発生するという課題があります。

NOxは酸性雨や光化学スモッグの原因となる大気汚染物質です。また、CO₂の約265倍もの温室効果を持つ亜酸化窒素(N₂O)が生成される点も指摘されています。

現在、NOxの排出を抑えながら安定的に燃焼させるための技術開発が世界中で進められています。

製造過程で発生するCO₂排出量の低減

現在、製造されているアンモニアの多くは、天然ガスなどを原料とする「グレーアンモニア」と呼ばれるものです。

従来の製法では製造プロセスでCO₂が排出されてしまうため、「本当にクリーンなエネルギーなのか」という課題が残ります。

この問題を解決するのが、「ブルーアンモニア」や「グリーンアンモニア」への移行です。

ブルーアンモニアは、製造時に出るCO₂を地中に固定するなどして、排出されるCO₂量を削減したもの、グリーンアンモニアは、再生可能エネルギーから作った水素を原料とするものを指します。

ブルーアンモニアやグリーンアンモニアは、グレーアンモニアよりも製造コストが高いため、今後いかに価格を下げていくかが実用化への大きなカギとなります

安定した生産・供給体制の構築

アンモニアを本格的に燃料として使うには、これまでにない「莫大な生産量」が求められます。

例えば、国内すべての石炭火力発電所で燃料の20%をアンモニアに置き換えるだけで、年間約2,000万トンが必要になると試算されています。

これは、現在の世界全体のアンモニア貿易量に匹敵するほどの量です。

もし供給が追いつかずに価格が高騰すれば、本来の用途である農業用肥料の市場にまで影響をおよぼします。必要量を安定的に生産・供給する体制を構築することも大きな課題です。

企業におけるアンモニア燃料の研究開発・活用事例

アンモニア燃料の課題を克服するため、多くの企業が研究開発などに取り組んでいます。発電から船舶まで、幅広い分野での取り組みを見ていきましょう。

JERA:碧南火力発電所での20%混焼実証試験に成功

大手発電事業者であるJERAは、「CO₂を排出しないゼロエミッション火力発電」の実現を目指し、アンモニア燃料の活用に取り組んでいます。

2024年4月〜6月には、愛知県の碧南火力発電所4号機を使い、燃料の20%を石炭からアンモニアに転換する実証試験を成功させました

JERAの碧南火力発電所の空撮写真

JERAの碧南火力発電所(出典: 株式会社JERA)

さらに、今後は段階的にアンモニア比率を引き上げ、2030年代前半には50%以上、2040年代には100%の転換を計画しており、最終的には「CO₂排出ゼロ」の発電所実現を目指しています。

日本郵船グループ:世界初のアンモニア燃料船の運航

海運大手の日本郵船は、世界で初めてアンモニアを燃料として動くタグボート「魁(さきがけ)」を開発し、横浜港を拠点とした安全かつ低炭素な運航を実現しています。

世界初のアンモニア燃料船「魁」

世界初のアンモニア燃料船「魁」(出典: 株式会社新日本海洋社)

さらに、2025年9月にはこの運航によって削減した温室効果ガス排出量を定量化し、「環境価値」として第三者認証を取得しました。

アンモニア燃料船の実運航を通じて創出された環境価値が第三者認証を受けた初の事例であり、海運業界の脱炭素化を大きく前進させる取り組みとして注目されています。

IHI:アンモニア燃料100%のガスタービン開発を推進

2022年、総合重工業メーカーのIHIは、液体アンモニアのみを燃料として発電するガスタービン設備の開発・実証に成功しました。2024年7月からは、社会実装を目指して耐久試験を実施しています。

IHIのアンモニア燃料100%のガスタービン設備

アンモニア燃料100%のガスタービン設備(出典: 株式会社IHI)

CO₂をまったく排出しないクリーンな発電技術の試験を通じて生み出された「脱炭素価値」は、2025年開催の大阪・関西万博へ提供され、万博会場のカーボンニュートラルに貢献しました。

脱炭素社会に向けて今日からできる「電力会社の切り替え」

アンモニア燃料のような最先端技術が私たちの暮らしに広く普及するまでには、まだ時間がかかります。

しかし、脱炭素社会の実現に向けて、私たちが今すぐ始められることもあります。それが、「エコな電気を提供する電力会社への切り替え」です。

実は、家庭から排出されるCO₂のうち約半分は電気の使用によるものです。

そのため、毎日使う電気を、CO₂排出のない再生可能エネルギー由来の電気に切り替えれば、それだけで家庭からのCO₂排出量を大きく削減できます。

火力発電に頼らないクリーンな電気を選ぶことは、個人で無理なくできる効果的な環境貢献のひとつです。

環境に優しい電気なら「エバーグリーン」がおすすめ

草の上に置かれた地球の形をした電球。再生可能エネルギーの活用によって地球環境を守るイメージを表現した画像。

エバーグリーン』は、国内有数のバイオマス発電事業者であるイーレックスと東京電力エナジーパートナーが共同で設立した電力会社です。

累計契約件数は19万件を突破しており(2025年9月末時点)、すべてのプランで再生可能エネルギー100%のエコな電気を提供しています。

ご家庭の電力会社をエバーグリーンに切り替えるだけで、電気の使用に伴うCO₂排出量を実質ゼロにできます。

切り替えるだけで家庭のCO₂排出量が実質ゼロに!

一般的なファミリー世帯がエバーグリーンの電気に切り替えた場合、1ヶ月あたり約127kgものCO₂排出量を削減できます。これは、杉の木およそ9本分の植林効果に相当します。

※CO₂排出量は令和5年度全国平均係数(0.423kg-CO₂/kWh)をもとに計算
※植林効果は「森林の二酸化炭素吸収力」(関東森林管理局/林野庁)をもとに、杉の木1本当たりの年間CO₂吸収量を14kgとして計算

エバーグリーンのこれまでの累計CO₂削減量は3億9,822万kgに達しており、植林効果に換算すると2,845万本分にもおよぶ実績があります(2025年3月末時点)。

電気の見直しは小さな一歩に思えるかもしれませんが、多くの家庭が参加することで、地球を守るための大きな力となります。ぜひこの機会に、エバーグリーンへの切り替えをご検討ください。

家計にも優しい「スマートゼロプラン」

「環境に良いのは嬉しいけれど、電気代が高くなるのでは?」と心配な方には、「スマートゼロプラン」がおすすめです。

スマートゼロプランは、家計に優しい以下のようなメリットがあります。

  • 毎月の基本料金が0円
    実際に使った分だけをお支払いいただくシンプルな料金体系です。冷暖房を使用しない季節や、旅行などで長期間不在にするときも、無駄な固定費がかかりません。
  • 料金単価が一律
    使用量にかかわらず料金単価が一定なので、電気をたくさん使うご家庭でも安心です。

さらに、Webサイトから新規でお申し込みの場合、Amazonギフトカード5,000円分がもらえる特典もご用意しています。

エバーグリーンへの切り替えは、Webサイトから約5分で申し込み可能で、今お使いの電力会社への解約連絡も不要です。忙しい毎日の中でも、手間なくスマートに切り替えられます。

※Amazonギフトカード提供の適用条件はエバーグリーン公式サイトをご確認ください

地球に優しいエネルギーで持続可能な未来へ

アンモニア燃料は、日本のエネルギーの未来を切り拓き、脱炭素化を加速させる強力な選択肢です。

こうした技術革新を社会全体で後押ししていくと同時に、私たち一人ひとりが家庭で使う電気を環境に優しいものへ変えていくことも、持続可能な未来を築くための確かな一歩となります。

未来の地球のために、今日から電気の選び方を見直してみませんか?

アンモニア燃料についてのよくある質問(Q&A)

アンモニアを作る過程でCO₂は発生しないのでしょうか?

現在主流となっている化石燃料から作るアンモニア(グレーアンモニア)は、製造過程でCO₂が排出されます。

今後、製造時に出たCO₂を回収して地中などに貯留する「ブルーアンモニア」や、再生可能エネルギーを使って作る「グリーンアンモニア」へ移行していくことで、製造から燃焼までのライフサイクル全体における脱炭素化が期待されています。

同じ次世代燃料の「水素」とは何が違うのですか?

大きな違いは「運びやすさ(輸送コスト)」です。

水素は液体にするために-253℃まで冷却が必要ですが、アンモニアは-33℃に冷却するか、常温で圧力をかけるだけで液体になります。加えて、アンモニアはすでに輸送インフラなども整備されているため、水素よりもコストをかけずに大量輸送できるのが強みです。

日本ではアンモニア燃料の活用に向けてどのような取り組みが進んでいますか?

国内では官民一体で取り組みが加速しています。2025年2月に閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」では、アンモニアを水素などと並ぶ次世代エネルギーのひとつに位置づけ、発電や船舶燃料などへの活用拡大を推進しています。

企業レベルでも、日本郵船が世界初のアンモニア燃料タグボート「魁(さきがけ)」を実用化するなど、さまざまな取り組みが進められています。

エバーグリーンは
環境に配慮した電気を
供給することで
皆さまの暮らしを支えます

  • Point
    1

    CO₂排出量が実質ゼロの電気

    実は、家庭から排出されるCO₂の約半数は電気の使用によるもの。エバーグリーンの電気をご利用いただくと、これを実質ゼロに抑えることができます!

  • Point
    2

    安心・安全の供給体制

    エバーグリーンは、再生可能エネルギーのリーディングカンパニーであるイーレックスと、東京電力エナジーパートナーの共同出資により創設した企業です!

  • Point
    3

    充実のサポート体制

    電気のトラブル時に迅速に駆け付ける「でんきレスキュー」 サービスなど、万が一の際もご安心いただけるサポート体制を整えています。

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