モーダルシフトとは?意味や2024年問題との関係、メリット・デメリット、取り組み事例を解説

ライフスタイル
2026年3月30日

「最近よく聞くモーダルシフトって何?」と疑問に感じていませんか。物流業界における脱炭素化が急務となるなか、輸送手段をトラックから鉄道や船舶へ転換する取り組みが注目されています。この記事では、モーダルシフトのメリットやデメリット、最新の支援策、企業の取り組み事例を詳しく解説します。

目次

モーダルシフトとは?意味や語源を簡単に解説

ここでは、モーダルシフトの意味や日本の物流の現状について解説します。

単なる輸送手段の転換にとどまらない、物流構造そのものを変える取り組みについて見ていきましょう。

モーダルシフトの意味・語源

モーダルシフトとは、主にトラックで行われている貨物輸送を、一度に大量の荷物を運べて環境負荷の小さい「鉄道」や「船舶」による輸送へと切り替える取り組みのことです。

英語の「Modal(輸送手段)Shift(移行・変更)」を語源としています。

トラック輸送から鉄道、船舶を利用する輸送方法への転換を図るモーダルシフトの概念図。

出典: 国土交通省

従来のようにすべての行程をトラックで運ぶのではなく、都市間の主要な区間は貨物列車や船を利用します。そのうえで、最終的なお届け先までの配送(ラストワンマイル)のみをトラックが担う形がモーダルシフトの一例です。

日本では、1981年7月に旧運輸省が出した答申「長期展望に基づく総合的な交通政策の基本方向」で、初めて「モーダルシフト」という言葉が使われたとされています。

当初はオイルショック後の省エネルギー対策として注目されましたが、現在は地球温暖化防止に向けたCO₂削減のカギとして、その重要性がさらに高まっています。

日本の現状と国土交通省が推進する「新モーダルシフト」

交通政策白書(2025年版)によると、2023年度の各輸送手段の分担率は、トラックが約90%を占めています。

鉄道・船舶の利用割合は約8%にとどまっており、依然として改善の余地が大きいのが現状です。

こうしたなか、2024年に提唱されたのが「新モーダルシフト」です。

これまでの鉄道と船舶へのモーダルシフトに加えて、航空機を含む「陸・海・空」すべての輸送手段を柔軟に組み合わせることで、物流網を維持しながら効率よく環境負荷を低減することを目指しています。

モーダルシフトが必要とされる2つの背景

なぜ今、モーダルシフトが必要なのでしょうか。そこには、社会が直面している2つの大きな課題があります。

2050年カーボンニュートラル実現に向けた脱炭素化の推進

政府が目指す2050年のカーボンニュートラル達成に向け、運輸部門では2030年度にCO₂排出量を35%削減(2013年度比)する中期目標が設定されています 。

運輸部門全体のCO₂排出量のうち、約40%はトラック輸送が占めていることから、トラック由来のCO₂削減に向けた取り組みの強化が急務となっています。

運輸部門における二酸化炭素排出量を示す図

出典: 国土交通省

貨物輸送をトラックから鉄道や船舶へと転換する「モーダルシフト」を推進することで、輸送におけるCO₂排出量を大きく削減可能です。

例えば、国土交通省によると、1トンの貨物を1km運ぶ際のCO₂排出量は、営業用トラックが207gであるのに対し、船舶は42g(約5分の1)、鉄道は19g(約11分の1)となっています。

輸送手段別の二酸化炭素排出量を示す図

出典: 国土交通省

これまでの物流のあり方を見直すことは、カーボンニュートラル実現への大きなカギとなります。

物流の2024年問題と深刻なドライバー不足

モーダルシフトが必要とされる背景には、「物流の2024年問題」への懸念もあります。

2024年4月から、トラックドライバーの時間外労働に年960時間の上限規制が適用されました。ドライバー1人あたりの走行距離が短くなったことで、これまでのような長距離輸送が困難になっています。

国土交通省によれば、このまま具体的な対策を取らないと2030年度には輸送能力が約34%不足する可能性も指摘されています。

持続可能な輸送体制を再構築するためにも、モーダルシフトは避けて通れない施策です。

モーダルシフトがもたらす4つのメリット

手のひらの上に、トラック・船・飛行機・CO₂削減などのグリーンロジスティクスアイコンが円形に浮かぶ画像。輸送・物流分野における脱炭素化の取り組みを示すイメージ画像。

モーダルシフトがもたらすメリットは、環境保全だけではありません。深刻化する「ドライバー不足」の解消や、企業のリスク対策につながる側面もあります。

具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

環境負荷の低減

モーダルシフトを推進する最大のメリットは、輸送過程におけるCO₂排出量を大きく削減できる点にあります。

具体的には、従来のトラック輸送を鉄道へ転換することで約91%、船舶へ転換することで約80%ものCO₂排出量を抑えられます。

大量輸送による効率化と人手不足解消

鉄道や船舶は、一度に運べる荷物の量がトラックよりも格段に多いのが特長です。

10トントラックで換算した場合、26両の貨物列車なら65台分、船舶1隻なら160台分もの荷物をまとめて運べます。

従来よりも少ない人数で大量の荷物を効率よく運べるため、深刻なドライバー不足を解消する有力な手段にもなります。

一人のドライバーが長時間運転する代わりに、鉄道などの大量輸送機関を活用することで、労務環境の改善にもつながります。

輸送コストの削減とBCP対策

鉄道や船舶は、トラック輸送に比べて少ない人数で運用できるため、長距離輸送における人件費や燃料費などのコスト削減が期待できます。

また、災害時に複数の輸送ルート(代替手段)を確保しておくことは企業のBCP(事業継続計画)の観点からも重要です。

道路網が遮断された場合でも、鉄道や船舶を併用していれば物資供給を継続できる可能性が高まります。

企業のESG・サステナビリティ評価の向上

環境への配慮をアピールし、消費者や投資家からの信頼を獲得できる点も大きなメリットです。

具体的には、以下のような認定マークを取得することで、モーダルシフトへの積極的な取り組みをわかりやすく証明できます。

  • エコレールマーク
    環境負荷の低い「鉄道貨物輸送」を一定基準以上活用している企業や商品を示すマーク

    エコレールマーク
    出典: 国土交通省

  • エコシップマーク
    地球環境に優しい「海上貨物輸送」を一定以上利用している荷主や物流事業者を示すマーク
エコシップマーク

出典: 国土交通省

モーダルシフトが進まない理由は?3つのデメリットが普及の壁に

メリットの多いモーダルシフトですが、いざ導入するとなると「時間」や「コスト」など、注意すべきデメリットも存在します。

導入前に知っておくべき具体的な課題について見ていきましょう。

リードタイム(輸送時間)の延長

鉄道や船舶は運行ダイヤが決まっているため、トラックのように「今すぐ集荷して明日届ける」といったスピード感・柔軟性のある輸送が困難です。

また、発着地点で「トラックから貨物列車(または船)」へ、さらに「貨物列車(または船)からトラック」へと複数回の積み替え作業が発生します。

この工程がタイムロスになり、積み込みから配達までのリードタイムが延びてしまうことが、モーダルシフト導入におけるハードルのひとつとなっています。

短距離・小口配送におけるコスト増

モーダルシフトは、500kmを超えるような長距離輸送においてはメリットが大きいものの、短距離の輸送では逆に割高になるケースがあります。

さらに、実務上の大きな壁として、輸送量(ロット)の確保が挙げられます。

小口輸送ではコンテナ単位のスペースを使い切れず、かえって1個あたりの輸送効率が悪化してしまうことが、モーダルシフト導入を足踏みさせる一因となっています。

自然災害や悪天候による運休リスクの高さ

鉄道や船舶は、トラックに比べて気象条件や自然災害の影響を受けやすいのがデメリットです

台風による船の欠航や、大雨などの影響による線路の不通が発生した場合、再開・復旧までに時間を要することも珍しくありません。

トラックのように「通行止めを避けて迂回する」といった柔軟なルート変更が難しく、代替手段の確保も容易ではないのが現状です。

納期を厳守しなければならない荷主企業にとって、こうした輸送の不確実性は、顧客からの信頼低下を招く重大なリスクとなります。

モーダルシフトを支援する法律と政策

緑背景の土の上に積まれた環境配慮型輸送アイコンの木製ブロック。環境負荷軽減の取り組みを象徴するイメージ画像。

モーダルシフト普及のために、国を挙げて強力なサポートが行われています。具体的にどのような取り組みが実施されているのか見ていきましょう。

物流効率化法:「2以上の者」の連携による効率化を支援

「物流効率化法(物資の流通の効率化に関する法律)」は、荷主と物流事業者などが手を取り合い、輸送や保管などの流通業務を一体的に効率化する取り組みを認定・支援する法律です。

モーダルシフトや輸送網の集約など、2以上の者で協力して、環境負荷の軽減や物流の省力化を図る事業を「総合効率化計画」に認定しています。

認定されると、以下のような手厚いメリットを受けられます。

  • 税制面での優遇措置
    事業用倉庫にかかる法人税や固定資産税が減免されます。物流拠点を維持するための固定費を抑えられるため、長期的な収益性の向上につながります。
  • 資金面での補助
    モーダルシフトなどの新しい輸送計画を立てる際の計画策定費用や、実際の運行経費に対して補助金が交付されます。初期投資や運用コストの負担を減らしながら、環境対策に着手できます。
  • 立地選定における規制緩和
    自然保護などの観点から建物の建設が厳しく制限されている「市街化調整区域」でも、物流施設の建設許可が下りやすくなります。これにより、配送効率の良い戦略的な場所への拠点展開が可能になります。

物流革新緊急パッケージ:2030年度に「輸送量倍増」を目指す

2023年に政府が策定した「物流革新緊急パッケージ」では、2024年問題への抜本的な対策として、モーダルシフトの推進が明記されました。

今後10年程度(2030年代前半まで)で、鉄道と内航海運の輸送量を現在よりも倍増させる目標を掲げています。

この目標達成に向け、大きな荷物も運べる大型コンテナ(31フィートコンテナ)の導入を促進したり、中長期的に40フィートコンテナの利用拡大も目指したりと、国を挙げてハイペースでモーダルシフトへの環境整備が進んでいます。

モーダルシフト等推進事業:導入コストを補助金でサポート

モーダルシフトを導入する際、企業にとって大きな課題となるのが「初期費用」や「輸送コスト」です。こうした費用負担を軽減し、取り組みを後押しする制度として「モーダルシフト等推進事業」という補助金制度が用意されています。

具体的には、物流効率化法にもとづく「総合効率化計画」の策定経費補助として最大500万円、そしてモーダルシフトなどの運行経費補助として最大1,000万円のサポートが受けられます。

課題をどう克服した?モーダルシフトに取り組む企業の事例

緑の苔の上に立つ、CO₂削減アイコンが刻まれた木製ブロック。企業のモーダルシフトによる温室効果ガスの排出削減と環境保護への取り組みを示すイメージ。

モーダルシフトのデメリットを技術や工夫で乗り越え、成果を上げている企業の事例を紹介します。

味の素|工場~物流センター間の完全モーダルシフト化を達成

味の素グループでは、川崎工場から西宮物流センター間において、以下の取り組みを実施しました。

  • 納品リードタイムの延長(翌日納品から翌々日納品へ)
  • システムインターフェースの改修
  • 工場での出荷順変更や積込時間の調整
  • 31ft鉄道コンテナおよび海上トレーラーの増便手配

こうした環境整備により、同区間における輸送をトラックから鉄道・船舶へ切り替える「完全モーダルシフト化」を達成。結果として、CO₂排出量の大幅な削減に成功しています。

2024年度(4月〜9月)の実績では、500km以上の長距離輸送において約97%という極めて高い割合でモーダルシフトを達成しました。

ダイキン工業・下関三井化学・活材ケミカル|専用コンテナ開発による海上輸送でCO₂70%削減

2023年度海運モーダルシフト大賞を受賞した、ダイキン工業・下関三井化学・活材ケミカルの3社による取り組み事例です。

茨城県から山口県へ再生蛍石を輸送する際、専用の21tバラ積み海上コンテナを開発し、内航コンテナ船による海上輸送を活用しました。

梱包材を不要にして積み込み・積み下ろし時間を短縮した他、陸上輸送と比べてCO₂排出量を約70%削減し、トラックドライバーの労働時間削減も実現しています。

トヨタ輸送・佐川急便|専用列車「TOYOTA LONGPASS EXPRESS」の空きスペース活用

佐川急便とトヨタ輸送は、自動車部品専用の貨物列車「TOYOTA LONGPASS EXPRESS」の空きスペースに宅配便を混載する異業種共同のモーダルシフトを2017年11月より実施しています。

愛知~岩手間のトラック輸送を鉄道に切り替えることで、年間約1,685時間のドライバー運行時間と約83.5トンのCO₂排出量を削減しています。

輸送効率や積載率の向上、ドライバーの省力化を同時に達成したことが評価され、2018年には「モーダルシフト取り組み優良事業者賞」を受賞しました。

地球に優しい選択を。エバーグリーンへの切り替えで環境貢献

緑の苔の上に横たわる電球。自然環境と電力・エネルギーの関わりを示すイメージ画像。

モーダルシフトは物流業界における脱炭素施策ですが、2050年のカーボンニュートラル実現のためには、家庭における脱炭素の取り組みも重要です。

なかでもおすすめなのが「電力会社の見直し」です。

家庭から出るCO₂の約半分は「電気の使用」によるもの

私たちが日常で使う電気の大半は、石炭や天然ガスを燃やす火力発電に依存しており、大量のCO₂排出の要因となっています。

実際、家庭から出るCO₂排出量のうち、約半分は電気の使用によるものです。

一方で、太陽光や風力などの「再生可能エネルギー」から作られる電気は、発電時にCO₂をほとんど排出しません。

家庭で使う電気を再生可能エネルギー由来のものに切り替えることは、日々の生活のなかで手軽にできる効果的な環境対策です。

エバーグリーンのエコな電気でCO₂排出量を実質ゼロに!

再生可能エネルギー由来のエコな電気に切り替えたい方におすすめなのが、電力会社『エバーグリーン』です。

エバーグリーンは、国内有数のバイオマス発電事業者であるイーレックスと東京電力エナジーパートナーが設立した共同出資会社です。

すべてのプランで再生可能エネルギー100%のエコな電気を提供しているため、切り替えるだけで家庭のCO₂排出量を実質ゼロにできます。

一般的なファミリー世帯がエバーグリーンに切り替えた場合、1ヶ月あたり約127kgものCO₂を削減できます。これは、杉の木およそ9本分の植林効果に相当する大きな環境貢献です。

※CO₂排出量は令和5年度全国平均係数(0.423kg-CO₂/kWh)をもとに計算
※植林効果は「森林の二酸化炭素吸収力」(関東森林管理局/林野庁)をもとに、杉の木1本当たりの年間CO₂吸収量を14kgとして計算

エバーグリーンの累計契約件数は19万件を突破し(2025年9月末時点)、累計CO₂削減量は3億9,822万kgに達しています(2025年3月末時点)。

多くのお客さまに選ばれているエバーグリーンの電気で、あなたも地球に優しい暮らしを手軽に始めませんか?

基本料金0円!地球にも家計にも優しい「スマートゼロプラン」

エバーグリーンのプランで特におすすめなのが、余計な固定費がかからない「スマートゼロプラン」です。

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モーダルシフトとエコな選択で持続可能な未来を

企業が輸送手段を見直す「モーダルシフト」と、私たちが家庭で行う「電気の切り替え」。規模は違っても、どちらも持続可能な未来へつながる大切なアクションです。

物流の2024年問題や気候変動など、一見すると大きな課題も、私たちが日々の選択を変えることで確実に解決へと近づきます。

まずはご家庭の電気をエバーグリーンに切り替えて、地球に優しい暮らしを無理なく始めてみませんか?

モーダルシフトについてのよくある質問(Q&A)

モーダルシフトはトラック輸送を完全になくす取り組みですか?

トラック輸送を完全になくすわけではありません。

都市間など長距離の主要な区間を一度に大量輸送できる鉄道や船舶に切り替え、駅や港から最終的なお届け先までの配送(ラストワンマイル)は引き続きトラックが担います。それぞれの輸送手段の強みを活かし、柔軟に組み合わせるのが特徴です。

「新モーダルシフト」は従来のモーダルシフトと何が違うのですか?

これまでのモーダルシフトがトラックから「鉄道・船舶」への転換を主に指していたのに対し、2024年に提唱された「新モーダルシフト」は、航空機を含めた「陸・海・空」すべての輸送手段を組み合わせる考え方です。

あらゆる輸送手段を総動員し、物流網を維持しながら環境負荷の低減を目指しています。

モーダルシフトに積極的な企業はどのように見分けたらいいですか?

認定マークがひとつの目印になります。環境負荷の少ない鉄道貨物輸送を一定基準以上活用している企業や商品には「エコレールマーク」、海上貨物輸送を一定以上利用している場合は「エコシップマーク」が付与されます。

認定マークのある企業や商品を選ぶことで、消費者も手軽に環境保全を応援できます。

エバーグリーンは
環境に配慮した電気を
供給することで
皆さまの暮らしを支えます

  • Point
    1

    CO₂排出量が実質ゼロの電気

    実は、家庭から排出されるCO₂の約半数は電気の使用によるもの。エバーグリーンの電気をご利用いただくと、これを実質ゼロに抑えることができます!

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    安心・安全の供給体制

    エバーグリーンは、再生可能エネルギーのリーディングカンパニーであるイーレックスと、東京電力エナジーパートナーの共同出資により創設した企業です!

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