キュービクルとは?わかりやすく解説
キュービクルの定義とは
キュービクルは、発電所から送られてくる高圧の電気を、施設で使える電気に変圧する高圧受電設備を収めた金属製の箱のことです。高圧受電設備の一つで、キュービクル式高圧受電設備とも呼ばれています。
キュービクル式高圧受電設備は、日本の産業製品の品質や性能、安全性などを統一する日本産業規格(JIS)において、「JIS C 4620」として1968年に定められました。また、翌1969年には信頼性の高いキュービクルの普及などを目的に、日本電気協会で推奨制度が開始されました。
キュービクルには停電や感電などを発生させない構造や機能、性能などを有することや、安全性と信頼性の高さなどが求められています。
キュービクルと高圧受電の関係とは
キュービクルでは発電所から送られてくる6,600Vの電気を、100Vや200Vに変圧します。
電気を利用する契約を大きく分類すると「高圧受電契約」と「低圧受電契約」があります。このうち、一般家庭や小規模事業所の場合は「低圧受電契約」に基づいて、電力会社が管理する変圧器によって100Vや200Vに変圧された電気を引き込みます。
これに対して、契約電力が50kW以上になる施設では「高圧受電契約」を結びます。この場合、6,600Vの電気をキュービクルに引き込んで、キュービクルで変圧して使用します。

キュービクルが必要な法人や事業所とは
キュービクルは大きな電力を必要とする施設には欠かせない電気設備で、高圧受電契約の際は設置が必要になります。設置基準は、関連法令によって定められています。
対象となるのは、電力会社との電気供給契約が50kW以上になる法人や事業所です。電気をたくさん使う設備で受電する際に必要になります。
電気をたくさん使う設備は、商業設備や工場のほか、オフィスビル、ホテル、病院、学校など様々です。キュービクルは一般的に、駐車場や屋上などに設置されています。
キュービクルの構成と仕組みとは
キュービクルの電気設備や変圧器などの構成とは
キュービクルの中には、発電所から送られてくる電気を受け入れて、変圧するために必要な機器が多数収められています。
主な機器は次の通りです。変圧器は、高圧の電圧を100Vや200Vに変圧するものです。高圧進相コンデンサは、電力の無駄を減らして電圧を安定させることで、電気設備の効率向上を行います。
計測器・VCTは、電力使用量を測定する機器です。遮断器は、過電流やショート等の異常が発生した際に電気回路を自動的に遮断し、設備を保護するものです。このほかにも開閉器や断路器などが組み込まれています。
キュービクルの受電から建物内配電までの流れは
キュービクルの受電から、建物の内部に配電するまでの流れは次のようになっています 。発電所から送られてくる6,600Vの高圧電気がキュービクルに引き込まれると、高圧電気はまず断路器を通ります。断路器によって回路を完全に遮断することによって、安全に作業することが可能になります。
続いて、高圧電気は高圧負荷開閉器によって制御され、変圧器へと送られます。変圧器によって6,600Vの高圧が100Vや200Vに変換されます。 変換された電気は、低圧配電盤へと送られます。配電盤によって電気が施設内の設備や機器などに分配されます。遮断器などによって安全性を確保しながら、施設内で電気の利用ができるようになります。
キュービクルの保安点検の基本とは
キュービクルについては、電気主任技術者による定期的な保安点検が電気事業法によって義務付けられています。キュービクルを設置している法人や事業者は、電気主任技術者を自社で雇用するか、もしくは外部委託承認制度を利用して 、外部の電気主任技術者に点検・管理を委託する必要があります。
外部委託承認制度は、一定の条件を満たす場合に限り、キュービクルの保安点検や管理を外部の電気主任技術者に委託することを経済産業省が認める制度です。詳しくは、経済産業省のホームページをご覧ください。

経済産業省:外部委託の受託に必要な実務経験期間の確認について
キュービクルの保安点検には年次点検と月次点検の2種類があります。年次点検は、原則として年1回実施します。点検の内容は、外観点検、絶縁抵抗測定、保護継電器試験、遮断器・断路器の動作試験、変圧器の内部点検など多岐にわたります。点検後には、結果を経済産業省・産業保安監督部に届け出る必要があります。
一方、月次点検は、原則として毎月1回実施することが義務付けられています。外観点検、目視点検、絶縁監視装置確認、電圧・電流測定など、年次点検よりも簡易的な点検になります。
点検を怠ると、停電事故や、周辺地域全体に停電が起こる波及事故、それに感電・火災事故などのリスクが高まります。また、電気事業法に違反したとして5年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられることがあります。電気機器の経年劣化による変換効率の低下を見落とすことで、電気使用量が増えて、電気料金が上がることも考えられます。点検は必ず実施してください。
キュービクルの導入・更新の実務ポイントは
キュービクル導入検討のポイントは
キュービクルの導入を検討する際のポイントは、導入によるメリットから判断することです。導入によるメリットの一つに、電気料金の削減があります。キュービクルを導入すると、低圧電力に比べて単価が安い高圧電力を利用できます。電力を多く使用する施設にとっては、長期的なコスト削減につながります。
導入によるメリットのもう一つは、異常が発生した場合でも即座に電力を遮断することで、火災や感電などのリスクを最小限に抑えられることです。防火性能にも優れるなど安全性も高く、長期にわたって安定した運用が可能です。
また、キュービクル自体はコンパクトな構造をしていて、定期的な点検や交換作業がスムーズに行われるなど、メンテナンスも容易です。完成したものが現場に納品されて、取り付け工事が行われるので、専門知識がなくても導入できます。

キュービクルの更新時に起きやすい課題とは
導入後、キュービクルは15年から20年に一度更新が必要になります。これはキュービクルの法定耐用年数が15年、実用耐用年数が15年から20年とされているからです。
更新は、耐用年数が迫っているか、もしくは過ぎている機器については、新しいものに更新します。また、キュービクル全体を新しいものに交換する場合もあります。
課題としては、更新の工事に基本的に1日、長い場合は2日かかることです。また、キュービクルの大きさによって費用が異なります。更新工事では小型と中型のもので数十万円から数百万円、大型のもので数百万円以上かかります。また、レッカー車や高所作業車、人件費などの要因によって、費用は変わってきます。
キュービクルの導入コストは
キュービクルの本体価格の目安は、小型で200万円程度、中型で300万円から600万円程度、大型で600万円以上です。条件によって金額は変動するので、複数の業者に見積もりを依頼して検討しましょう。
また、2026年4月1日からは、キュービクルの省エネルギー性能に関する新基準が適用されるようになりました。変圧器は省エネルギー性能が向上したトップランナー基準を満たすものしか、製造や販売が認められなくなりました。現在使用中の変圧器はそのまま使えますが、新基準の変圧器は旧基準よりも価格が上昇するため、導入や交換には注意が必要です。
エバーグリーンでは法人向けに、事業所・商店・飲食店など小規模な事業者に適した低圧のプランと、高圧については5つの料金プランを用意しています。さらに、環境価値を持つ非化石証書を組み合わせることで、実質的に再生可能エネルギーを提供し、CO₂排出係数をゼロにできるCO₂フリープランを全てのプランにオプションで付加することも可能です。以下のリンクからぜひご検討ください。
エバーグリーン:事業所・商店・飲食店等の法人のお客さま(低圧)
エバーグリーン:法人のお客さま(特別高圧・高圧)
エバーグリーン:お問い合わせフォーム
よくある質問
Q.キュービクルはどのような企業で必要になりますか?
A.契約電力が50kW以上になる施設を有し、「高圧受電契約」を結ぶ企業で導入が必要になります。
Q.キュービクルを導入する費用はどれくらいかかりますか?
A.キュービクルの本体価格の目安は、小型で200万円程度、中型で300万円から600万円程度、大型で600万円以上です。他にも工事費などがかかります。
Q.キュービクルを更新するタイミングは?
A.15年から20年に一度が更新の目安です。
