気候変動に具体的な対策を企業も求められる理由とは
SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」
気候変動対策は、世界における大きな課題になっています。2015年にフランス・パリで開催された国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)において、パリ協定が採択されました。
パリ協定では、世界共通の長期目標として、産業革命前からの平均気温上昇を2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑えるために努力する目標を掲げています。しかし、欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は2026年1月14日、2023年から2025年までの3年間の平均気温が1.52℃だったと発表。パリ協定の努力目標である1.5℃を超えるなど、地球温暖化が進行しているのが現状です。
コペルニクス気候変動サービス「2025 GLOBAL CLIMATE HIGHLIGHTS」(英語版)
パリ協定と同じ2015年に、国連総会で採択されたのが「持続可能な開発目標」であるSDGs(Sustainable Development Goals)です。SDGsでは、世界中が協力して2030年までに達成すべき目標として、17の目標が掲げられています。このうち、目標13で掲げられているのが、「気候変動に具体的な対策を」です。気候変動から地球を守るために、今すぐ行動を起こすことが求められています。

気候変動に具体的な対策を企業経営に導入する意味とは
地球温暖化の主な原因と考えられているのが、CO₂など温室効果ガスの増加です。温室効果ガスが増えすぎることで、本来であれば宇宙に逃げるはずの熱が放出されず、地表に溜まり過ぎてしまうために、気温の上昇や地球全体の気候が変化すると考えられています。
CO₂の排出が急激に増え始めたのは、産業革命以来です。エネルギーを得るために石炭や石油などの化石燃料を燃やすことで、大気中に排出されるCO₂が増加しました。また、家庭からのCO₂排出量よりも、企業などの産業活動による排出量の方が多く、排出量削減は企業の課題となっています。
一方で、気候変動は企業の事業活動に大きな影響を及ぼしています。夏の異常な高温や大雨の頻度の増加、台風に伴う降水量の増加、農作物の不作などを引き起こしています。また、環境省によりますと、甚大な気象災害が相次いでいることで、自然災害による保険金支払額も急増しています。企業は持続可能性を高めるためにも、気候変動対策に取り組むことが急務となっています。

環境省「改訂版 民間企業の気候変動適応ガイド」(2022年3月)より
企業が気候変動対策に取り組むメリットとは
企業が気候変動対策に取り組むことは、リスク回避だけでなく、メリットを得ることにもつながります。CO₂排出量削減や資源の循環、エネルギーの効率化など、環境への負荷を減らすことによって、事業や経営が持続可能なものになります。
また、設備投資やイノベーションに取り組む際に、金融機関からの融資が得られやすくなるメリットもあります。環境や社会に配慮したビジネスを展開し、ガバナンスに優れている企業はESG投資の対象にもなります。ESGは環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の略です。
同時に、企業の評価も高まります。気候変動対策など環境問題に取り組む企業は、社会的責任を果たしていると評価され、イメージの向上や人材の確保でも優位性を保つことができます。このように企業が気候変動対策に取り組むことで、さまざまなメリットを得ることが可能になります。
気候変動に具体的な対策を企業が進める手順とは
CO₂排出量を「見える化」する
企業は気候変動対策に取り組む場合、まずはCO₂排出量の削減を目指すことについて、経営戦略上の意義を明確化する必要があります。その上で、次のような手順を踏んでいきます。
まずは、現状のCO₂排出量やエネルギーの使用量を「見える化」することです。CO₂排出量は基本的に「活動量×排出係数」の計算式で求められます。自社の排出量を算定する方法については、環境省のホームページ「温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度」にある、温室効果ガス排出量算定・報告マニュアルが参考になります。

環境省:「温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度」より
サプライチェーンの排出量の算定については、環境省と経済産業省では、「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」を公表しています。
環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」
また、CO₂排出量を簡単に計算して、「見える化」できるツールとして、日本商工会議所は「CO₂チェックシート」をホームページで無料配布しています。数値を入力するだけで自動計算し、排出量を簡単に「見える化」できます。
日本商工会議所「商工会議所エネルギー・環境ナビ CO₂チェックシート」
CO₂排出量削減目標を設定して省エネ設備を導入する
CO₂排出量を「見える化」することで、プロセスごとのCO₂排出量が明確になり、効果的な削減目標を設定することが可能になります。
目標を達成するには、省エネに取り組むとともに、省エネ設備を導入することが有効です。
エネルギー効率が低い古い設備については、省エネ機能に優れた新しい機器に更新することで、投資コストはかかるものの、中長期的に考えればランニングコストの削減につながります。
CO₂排出量削減を実施して情報開示する
日本国内ではCO₂排出量の情報開示についての義務化が進められています。地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)では、2006年4月からCO₂など温室効果ガスを大量に排出する特定排出者に対して、自ら温室効果ガスの排出量を算定して、国に報告することが義務付けられています。
制度の変更点などについての最新情報は、環境省のホームページ「温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度」にて公表されています。
環境省「温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度」
開示義務の対象になっていない中小企業でも、取引先の大企業からCO₂排出量を聞かれるケースが今後増えてくると考えられます。排出量を削減して情報を開示することは、気候変動対策だけでなく経営面でも重要になっています。
気候変動に具体的な対策を電力使用の視点から進めるには
電力使用量を「見える化」する
気候変動対策を進める上で、わかりやすい方法の一つが電力使用量を最適化することです。電力使用量をリアルタイムに「見える化」することによって、具体的な節電対策を講じることが可能になります。
無駄な設備や照明をこまめに消すことや、昼間のピーク時の使用を抑えて夜間電力を使用するなどの改善を積み重ねることによって、コストをかけることなく電力使用量を減らして、CO₂排出量削減につなげることができます。
デマンドレスポンスで電力使用量を最適化する
電力使用量を制御することで、電力の需要を柔軟にコントロールするデマンドレスポンスも、電力使用量を最適化する上では有効です。デマンドレスポンスサービス提供会社からの依頼を受けて、空調や照明、設備などの使用をコントロールします。
エバーグリーンでは、法人のお客さま向けにデマンドレスポンスサービスを提供しています。CO₂排出量削減に貢献するとともに 、ご協力いただいた量に応じて、電気代の割引として還元します。詳しくはホームページをご覧ください。
エバーグリーン:デマンドレスポンス(DR)サービス
再生可能エネルギーやCO₂フリー電力を活用する
また、再生可能エネルギーや、CO₂フリー電力を活用することによって、CO₂排出量を大幅に削減することが可能になります。再生可能エネルギーの活用には、敷地内外で太陽光発電設備を導入する方法があります。
再生可能エネルギーやCO₂フリー電力を簡単に活用する方法が、電力契約を切り替えることです。
エバーグリーンでは、法人向けの高圧について5つの料金プランを用意しています。さらに、環境価値を持つ非化石証書を組み合わせることで、実質的に再生可能エネルギーを提供し、CO₂排出係数をゼロにできるCO₂フリープランを、全てのプランにオプションで付加することが可能です。以下のリンクからぜひご検討ください。
エバーグリーン:事業所・商店・飲食店等の法人のお客さま(低圧)
エバーグリーン:法人のお客さま(特別高圧・高圧)
エバーグリーン:お問い合わせフォーム
よくある質問
Q.企業が気候変動対策を進める際に最初に着手すべきことは?
A.CO₂排出量や電力使用量を可視化することです。可視化した上で、削減効果が大きくなる計画を立てて、実行します。
Q.企業の気候変動対策に設備の更新は有効でしょうか?
A.省エネ機能が向上した設備に更新することは、気候変動対策に有効です。導入には投資が必要になるものの、中長期的に見ればランニングコストの削減につながります。
Q.再生可能エネルギーの導入はコストの増加になりますか?
A.調達方法によって異なります。CO₂フリープランに電力契約を切り替える場合は、導入コストはかかりません。
