ESG投資に関する国内の取り組みとSDGsとの関係

2020年08月31日

昨今、世界的に注目が高まっているESG投資について、気候変動などを念頭においた長期的なリスクマネジメントや企業の新たな収益創出の機会を評価するベンチマークとして、合わせて注目されているSDGsと共にご紹介します。



【目次】

ESG投資とは


気候変動を巡る投資・金融の動き


TCFD研究会について


■TCFD研究会とは


■TCFDに署名するメリット


SDGsとは


ESG投資とSDGsの関係

まとめ



ESG投資とは


ESG投資とは、従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資のことを指します。
企業へ投資をするためにその企業価値を計る材料として、これまではキャッシュフローや利益率などの定量的な財務情報を主に見てきました。
しかしそれに加えて、非財務情報であるESGの要素も考慮する動きが進んでおり、ESG投資は近年注目を集めています。

(出典:経済産業省|ESG投資とは)



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気候変動を巡る投資・金融の動き


近年、金融業界において気候変動をはじめとする環境への影響・取組を重視する動きや、
それに伴って環境・気候変動に関する企業の情報開示を求める動きが活発化しています。
企業の気候関連情報の開示が推進されると同時に、金融機関のESGへの取組、付随して格付け機関の動きも変化しつつあります。

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IEA※によると、持続可能な経済・社会に向けた目標の達成のためには、約12兆ドルという追加投資が必要であると予測されており、公的資金を補うためにも民間の資本をサステナブルな投資に向ける必要があると言われています。そのためには、金融システムにおける安定性や透明性の確保、長期的視点の育成が重要です。
このような問題意識から、EUやG20において気候関連のファイナンス議論が活発化しています。

※IEA:International Energy Agency、国際エネルギー機関

(出典:https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H30FY/000532.pdf)

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TCFD研究会について


前述の通り、ESG投資拡大や気候関連の情報開示を求める国際的な動向を踏まえ、発足したのがTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)です。
ここでは、日本で発足したTCFD研究会の概要とTCFDに署名するメリットをご紹介します。

■TCFD研究会とは


TCFDは、G20からの要請を受け、FSBが2015年に設置した民間主導の「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」です。ESG投資拡大やTCFD等の気候関連の情報開示を求める国際的な動向を踏まえ、気候関連の情報開示不足や遅れによる、日本企業のグローバル市場における評価が低下するリスクを回避するために発足したのがTCFD研究会であり、TCFD提言に基づいた情報開示への対応に向けた課題を抽出し、対応の方向性を検討しています。
TCFDが公表している報告書では、ガバナンス・戦略・リスク管理・指標と目標の4項目について開示することが求められています。

(出典:経済産業省 |気候変動に関連した情報開示の動向)

■TCFDに署名するメリット

TCFDに署名するということは、勿論TCFDの提言の趣旨に賛同することを意味します。
署名によって、気候変動に関する企業の取組を投資家に対してアピールする意思表示ができるのです。
署名方法は、TCFD事務局に対して、その旨をメールすることで完了し、署名することで、それ以上の義務を負うものではありません。
TCFDに対しては、既に世界で598機関、国内でも59機関が署名しています※(世界第3位)。また、日本は世界平均と比較して非金融セクターの署名数が多い傾向にあります。

※平成31年2月27日時点

(出典:経済産業省|ESGに関する経済産業省の取組)

TCFDに署名するメリットには以下のようなものがあります。
・環境への強みを金融機関に対してアピールできる
・サプライチェーンでの取り組みが求められる時代になっており、環境への強みを販路開拓できる
・企業の差別化戦略に活用できる。

また、TCFD署名企業を対象に、政府が「産業と金融の対話の場」を設置しており、そこで環境に取り組む企業が活動を積極的にアピールすることが出来ます。
つまり、署名が増えれば増えるほど、日本産業の「強み」を世界にアピールできます。
実際に、TCFDに賛同した企業からは、「賛同を表明したことで投資家からの問い合わせが増え、投資家との対話が促進された」という意見や、「賛同をきっかけに、IR部との連携が進みやすくなった」等の声が挙がっています。

(出典:経済産業省|ESGに関する経済産業省の取組)

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SDGsとは


ESG投資と関連して良く耳にするのが、SDGsです。
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、2015年9月に国連で採択された2016年から2030年までに世界が達成すべき持続可能な開発目標です。
貧困や雇用、気候変動など、環境・社会問題を解決するための世界共通のビジョンで、17の目標、169のターゲットで構成されています。
国内でも注目されており、政府が「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」を設置し、経済・社会・環境の三分野での課題への取組を強化し「SDGsの主流化」を行うとしているほか、経団連が企業行動憲章を改定し、会員企業に対してSDGsの達成に向けて行動するよう求めるなど、企業によるSDGsへの取組を推進しています。

(出典:みずほ総合研究所株式会社|SDGsとESG投資)

 

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ESG投資とSDGsの関係


ESG投資とSDGsの関係については、環境問題への取組等の社会的な課題が、投資家にとっては投資機会を(ESG投資)、企業にとってはビジネス機会(SDGs)をもたらすという点で、ESGとSDGsは共通の考え方を持っています。
しかし、ESG投資のE(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)の各課題が具体的に何であるかは明確に定義されておらず、あくまでも「企業の持続性を図るための尺度」という捉え方をするなら、ESG投資で考慮する要素は、時代の流れで変化していくものとも考えられます。

投資家の目線で言うと、SDGsが、世界共通の目標であることを考えると、「投資家が各企業のESGを評価する上でSDGsは一つの指標」となりえます。
逆に企業の目線に立つと、「SDGsに積極的に取り組んでいる企業は、必然的にESGも考慮した企業活動を行っている」と言えます。
最終的に企業は、持続可能な事業活動を行うことが可能になり、投資家も長期的なリターンを得られるようになります。

(出典:みずほ総合研究所株式会社|SDGsとESG投資)

まとめ


ESG投資について、SDGsとの関係性にも触れながらご紹介をしましたが、両者ともにこれからの企業活動にとって重要なキーワードであることが分かりました。
企業にとっては、投資家からの投資機会に大きく影響が出る部分ですので、これからの企業活動について見直すきっかけになれば幸いです。


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