今さら聞けない「省エネ法」について詳しく解説

2020年11月27日

日本では長きにわたり法律の下で様々な省エネへの取組がなされてきました。2021年からは新たに改正省エネ法が施行されています。今回は、今さら聞けない省エネ法について詳しくご紹介します。

【目次】


省エネ法とは


■対象となるエネルギー

■省エネ法が規制する分野・対象の事業者


国内の省エネ政策の動向

2021年施行の改正省エネ法について


■産業・業務部門における省エネ法改正のポイント


■運輸部門における省エネ法改正のポイント

2021年度から始まった省エネコミュニケーション・ランキング制度

まとめ


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※この記事は、2020年11月27日に公開した記事ですが、文言やデータ、その他の部分も追記・更新して2022年5月26日に再度公開しました。

省エネ法とは


省エネ法とは、1979年に制定された「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」(以下省エネ法)のことです。元々はオイルショックを契機として、工場、輸送機関等においてエネルギーを効率的に利用していく目的※で制定されました。

※目的の定義:内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保に資するため、工場等、輸送、機械器具等についてのエネルギーの使用の合理化に関する所要の措置、電気の需要の平準化に関する所要の措置(2013年改正時に導入)その他のエネルギー使用の合理化等を総合的に進めるために必要な措置を講ずることとし、もって国民経済の健全な発展に寄与すること

(出典:資源エネルギー庁|省エネ法の概要)

■対象となるエネルギー

省エネ法においては、燃料、熱、電気の3つをエネルギーとしています。
逆にそれらに該当しない廃棄物からの回収エネルギーや風力、太陽光等の非化石エネルギーは対象となりません。

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(出典:資源エネルギー庁|省エネ法の概要)

■省エネ法が規制する分野・対象の事業者


省エネ法がエネルギー使用者へ直接規制する事業分野としては、工場・事業場及び運輸分野があります。規制は、エネルギー使用者への直接規制と間接規制の2つがあり、直接規制の対象者の中には、更に省エネ取組の判断基準を達成するための努力義務を負う者と、一定規模以上の事業者には、エネルギー使用状況等の報告を義務付けています。
間接規制は機械器具等(自動車、家電製品や建材等)の製造又は輸入事業者を対象としており、機械器具等のエネルギー消費効率の目標を示して達成を求めています。直接規制、間接規制どちらの対象者にも、取組が不十分な場合には指導・助言や合理化計画の作成指示、勧告等を行っています。

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(出典:資源エネルギー庁|省エネ法の概要)

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国内の省エネ政策の動向


省エネ法とは何か、その対象者等について説明しましたが、政府はどのような取組をしているのでしょうか。これまでの省エネ取組とこれからの政策の動向についてご紹介します。

オイルショック以降、2015年時点で日本の実質GDPは2.6倍になった一方最終エネルギー消費量は運輸、家庭、業務、産業全体で1.2倍に増加しました。経済成長と世界最高水準の省エネを同時に行ってきた国と言えるでしょう。
今後さらにエネルギー消費量を抑えつつ経済を成長させるべく、日本はエネルギーミックス(長期エネルギー供給見通し)における省エネ対策として、2030年度に最終エネルギー需要を対策前と比べて原油換算5,030万kl程度削減することを掲げました。この目標を達成するためには、オイルショック後並みのエネルギー消費効率の改善が求められます。

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2019年度時点では、全体のエネルギー需要は基準年である2013年度比で1,657万kl削減しており、進捗率は32.9%です。
また各部門別に見ると、産業部門や業務部門においてはLEDなどの導入が比較的進んでいるものの、大規模な投資を伴う省エネ設備の導入は遅れているのが現状です。
運輸部門では、乗用車の燃費が上がったことにより旅客輸送分野での省エネが大幅に進んでいますが、今後宅配貨物の増加や企業間取引における貨物輸送の少量・多頻度化等によって輸送量はより一層増える見込みがなされているため、取組を強化する必要があります。

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(出典:資源エネルギー庁 省エネ政策の動向)

(出典:資源エネルギー庁 省エネルギー政策の進捗と今後の方向性)

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2021年施行の改正省エネ法について


省エネルギー小委員会が現在ある課題解決に向けて審議を重ねた結果、複数事業者が連携した省エネの取組に関わる新制度の増設や、荷主規制の対象の見直しなどを内容とする省エネ法の改正が行われることとなりました。
具体的に改正法の主な対象となるのは、産業・業務部門と運輸部門の貨物輸送分野です。
この新たな省エネ法改正案は、2018年6月6日に成立、6月13日から交付され、2021年から施行されています。

■産業・業務部門における省エネ法改正のポイント

産業・業務部門では、事業者による積極的な取組の結果、省エネがかなり進んでいます。
しかし課題として、直近10年間のエネルギー消費効率(エネルギー消費原単位)がほぼ横ばいもしくは足踏み傾向にあることが挙げられました。

現行の省エネ法では、事業者のエネルギー消費効率を事業者単位で評価しています。そこで、今回の省エネ改正法で、新たに「連携省エネルギー計画」の認定制度を設け、従来の事業者単位だけでなく、認定を受けた複数事業者が、事業者間の連携により削減した省エネ量を、それぞれの事業者に分配し報告できるようにしました。これにより、例えばグループ企業において省エネ法の義務を一体的に履行することが可能になり、益々各事業者の省エネ取組の促進が期待されます。

■運輸部門における省エネ法改正のポイント

運輸部門(貨物輸送分野)においては、ネット通販市場の著しい成長に伴い小口配送等が増加したことによる、「増エネ」への対応が求められています。

現行法は、工場間の輸送を念頭に、荷主の定義を「貨物の所有者」としています。
ネット通販等においては、売買契約が成立した段階で貨物の所有権が購入者に移ることもあり、実質荷主として省エネ法の規制を受けないネット小売業者の存在が課題となっていました。そこで、改正法では荷主の定義を「輸送の方法などを決定する者」とし、貨物の所有権を問わず、契約などで貨物の輸送方法などを決定する事業者を省エネ法の規制対象としました。また、インターネット上に、個々の出店者がそれぞれ独立して商品を販売するサイトを提供するモール事業においては、貨物輸送事業者との契約がなく、輸送の方法などを決定しないモール事業者ではなく、個々の出店者が規制対象となります。

そのほかにも、一定規模のエネルギーを使用する事業者に対して毎年度提出を義務付けている「中長期計画」を、改正法では省エネ取組の優良企業を対象に、「提出頻度を数年に一度とする」といった内容が追加されています。

(出典:資源エネルギー庁|時代にあわせて変わっていく「省エネ法」)

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2021年度から始まった省エネコミュニケーション・ランキング制度


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省エネコミュニケーション・ランキング制度とは、経済産業省・資源エネルギー庁が、全国の電力・ガス会社(都市ガス、LPガス)が一般消費者に対して行っている省エネ情報の発信の内容を調査し、評価する制度です。
この制度は、一般消費者が電力・ガス会社を選択する際の参考にでき、提供された省エネ情報をもとに、より一層省エネに取り組んでもらうこと、また、電力・ガス会社による更なる情報提供を促すことを目的としており、2021年から試験的に運用が開始され、2022年から本格運用されます。

 

評価方法

評価基準は省エネに役立つ情報の「提供内容」と「提供方法」の2つがあります。
「提供内容」では、毎月の消費量の前年同月値や過去1年間の月別消費量及び料金、エネルギーのみえる化、類似世帯との比較などが対象になります。
「提供方法」では、「提供内容」の基礎点とされた内容の情報の閲覧率を高める工夫を行っているか、属性にあった情報を提供しているか、などが評価基準になります。

評価はひと目で分かるよう、星の数で表され、最終的な得点は、星の数5段階で評価され ます。

スライド2.JPG(出典:評価における配点の表 経済産業省 資源エネルギー庁)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/overview/ranking/

これらの項目を網羅するのは簡単なことではなく、2021年度は「1つ★」の事業者がもっとも多い結果となりました。最高評価の「5つ★」は小売電気事業者88社のうち11社、都市ガス小売事業者は70社のうち2社でした。

会社名と評価は、承諾を得た企業のみが経済産業省が運営する省エネポータルサイトに掲載されます。
会社名が確認できるのは主に4つ★以上の会社ですが、需要家は契約をしている、または契約を検討している電気・ガス会社が高評価かどうかすぐに確認することが可能です。
また、省エネコミュニケーション・ランキング制度の開始により、発信する情報内容の充実はもちろんのこと、属性に合う情報がわかりやすく届けられているかなど提供方法の検討も求められています。

まとめ


日本は40年以上に渡り、省エネに取り組み続けるなかで常に進展を図ってきました。
しかしながら、エネルギーミックスの目標を達成するためにはまだまだクリアすべき課題があります。時代やその時の状況に応じて改正を重ねてきた省エネ法ですが、今後もより一層の取組を進めていくために、事業者1人1人の引き続きの対応が求められます。


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