電力のピークシフトとは?導入方法や効果などについて解説

2023年06月01日

企業活動にかかるコストで大きな割合を占めているのが電気料金です。電気料金を削減する方法の1つに、電力のピークシフトがあります。今回は、ピークシフトの導入方法や効果、ピークカットとの違いなどについて解説します。

【目次】


電力のピークシフトとは


ピークシフトの導入方法は


ピークシフトとピークカットの違いは









電力のピークシフトとは

 

ピークシフトは使用電力の平準化


電力のピークシフトとは、電力の使用量が多い日中の時間帯から、使用量が少ない夜間などの時間帯にシフトさせることで、全ての時間帯の電力使用量を平準化する手法です。ピーク時の使用量を減らすだけで、全体の電力使用量は変わりません。

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経済産業省作成

ピークシフトの考え方は、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」にも、「電気の需要の平準化」として盛り込まれています。具体的には、国全体の夏期・冬期の昼間の電気需要を低減することを指し、その時期と時間帯は、全国一律で7〜9月(夏期)及び12〜3月(冬期)の、土日祝日ともに8〜22時とされています。

ピークシフトが注目される理由


電力のピークシフトが注目されている理由は、事業者にとっては電気料金の削減が実現できるからです。電気料金は、基本料金+電力量料金+再エネ賦課金+燃料費等調整額によって算出されます。

さらに、基本料金は単価×契約電力×力率割引で決まります。単価は、1kWあたりの単価です。 力率は電源から送り出された電力に対して、実際にどれくらいの電力が消費されたのかを表すものです。力率が85%を上回ると1%ごとに基本料金が割引され、逆に下回ると1%ごとに基本料金が割り増しされます。

ピークシフトと関係があるのは、契約電力です。高圧において契約電力が500kW以下の場合は、デマンドと呼ばれる数値によって決定されています。デマンドは30分間に消費された電力の平均値です。

30分を1コマとすると、1日に48コマ(24時間分)あることになります。1か月間で最も高かったデマンドが、その月の最大デマンドです。

直近12か月間で最大だった月のデマンドが、契約電力として設定される仕組みになっています。つまり、ピークシフトによって、この最大デマンドを低く抑えることが可能になるということです。

※特別高圧と高圧において契約電力が500kW以上の場合は、デマンドは関係なく、利用者と電力会社との協議によって契約電力を決定いたします。

電力のピークシフトで得られる効果とは

 
夜間の電力を活用するピークシフト

 
ピークシフトの具体的な方法としては、夜間などの電力の使用が少ない時間帯に電気を貯めておき、電力使用量がピークを迎える時間帯に貯めた電気を使用することです。

特に、会社や工場の場合は、昼間の電気使用量が多くなります。具体的には蓄電池などで夜間に電気を蓄えておき、その蓄えた電気を昼間に放電して使うイメージです。

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ピークシフトによる電力量料金の抑制効果

 
前述した通り、ピークシフトによって最大デマンドを抑制することが、契約電力を低く抑えることにつながります。さらに、ピークシフトの電気料金の削減効果は他にもあります。それは、料金が安い夜間の電力を活用することです。

夜間の電力量料金は、昼間に比べると低めに設定されています。夜間に蓄えた電気を昼間に使用することで、電気料金の削減が可能になるのです。こちらは東京電力エナジーパートナーが、2023年4月1日に見直した料金単価の一例です。

スクリーンショット 2023-04-28 17.18.37.png東京電力エナジーパートナーHPより  業務用季節別時間帯別電力(契約電力500kW未満)

ピーク時間は、夏季の平日・土曜日の午後1時から午後4時までの時間帯です。昼間時間は、平日と土曜日の午前8時から午後10時までの、ピーク時間を除いた時間帯。それ以外の時間帯や、日曜、祝日、年末などは夜間時間になります。

各電力会社では料金の見直しを進めていて、夜間時間の料金も大幅に上昇してはいるものの、他の時間帯に比べると単価は低くなっています。このように、ピークシフトは電力量料金を抑える点でも、大きな効果が得られるのです。

ピークシフトの導入方法は

 
蓄電池でピークシフトを導入

 
ピークシフトを導入する方法で一般的なのは、蓄電池を導入することです。電気料金の削減を目的に導入する際には、蓄電池の購入コストがかかることは理解しておく必要があります。

産業用蓄電池は様々なメーカーから発売されています。電力の使用状況の見える化など、さまざまな機能を備えた製品があり、省エネにも活用できます。

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 ピークシフトのための蓄電池導入はBCP対策にも効果

 

蓄電池の場合、ピークシフトに活用できると同時に、電源を確保するためのバックアップの役割も果たします。そのため、業務継続計画(BCP)にも役立てることができます。

BCPは、自然災害や大火災などの緊急事態に遭遇した場合に、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続や早期復旧を可能にするために、事業継続のための方法や手段などを取り決めておく計画のことです。

災害時に事業を継続する際、確保すべき重要なインフラの一つが電力です。蓄電池の導入は非常用電源の確保につながるのです。 

ピークシフトとピークカットの違いは

 
ピークカットとは

 
電気料金の削減に有効な手段は、ピークシフトの他にも、ピークカットがあります。ピークカットは最も使用電力の多い時間帯の電力使用量を削減することです。

ピークカットの導入方法として代表的なのは、太陽光発電を導入することです。太陽光発電設備を自社で設置して、昼間に使用する電気を自家消費することで、ピーク時に電力会社から購入する電力量を削減することができます。

つまり、ピークカットは電力使用量そのものを削減するものです。ピークシフトは全体の電力使用量はそのままで、夜間に貯めた電力を昼間に放出する点で、ピークカットとはまったく異なる手法と言えます。

ピークシフトとピークカットの併用で効果大

 

ピークシフトとピークカットはその手法が異なるものの、併用することによって電気料金の削減効果が大きくなります。

具体的には、蓄電池と太陽光発電を組み合わせて使用することです。蓄電池と太陽光発電を連携させることで、太陽光で作った電気を自家消費することが可能になります。

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電力使用量がピークの時間帯には、太陽光による電力でピークカットを実現します。また、太陽光発電で貯めた電気を料金が高い時間に使用すれば、電気代を削減できます。さらに、ピークシフトによって電力使用量を平準化することで、契約料金を大幅に下げることも可能になります。ピークシフトとピークカットの併用は、電気料金の削減効果を最大化できる方法と言えます。

ピークシフトやピークカットを活用すると同時に、各電力会社のどのプランと契約するのかについても、電力コストを考える際には重要になります。

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