電気契約の重要性と法人経営への影響とは
電気契約とは
電気契約とは、電気が利用できるようになるために、電力会社との間で契約を結ぶことです。法人の電気料金は、基本的には次のような仕組みで決まります。
法人の電気料金(高圧)=基本料金+電力量料金+再エネ賦課金+調整費等
法人の電気料金では、固定料金である基本料金の決定がポイントになります。基本料金は単価×契約電力×力率割引によって決まります。契約電力は、30分ごとの平均使用電力のうち、月別で最も高い値である最大需要電力によって決まります。
また、電力量料金は使用した電力量に応じた料金です。基本料金を最適化し、効率的に電力を使用できるかどうかは、コスト面で法人経営に大きく影響します。
このほか、再エネ賦課金は再生可能エネルギーの普及のために、電気料金に上乗せしているもので、近年値上げが続いています。また、調整費等は国際的な燃料価格や為替レートによって変動します。調整費等は電気料金の高騰を招く要因になっています。
法人が電気契約を結ぶ流れとは
法人が電気契約を結ぶ場合、個人に比べると手続のために必要となるものが多くなります。このため、十分な準備をしておく必要があります。
電力会社を切り替える場合には、まず現在の電気の使用状況を確認します。ポイントは、直近1年分の電気料金の明細や、最大需要電力、それに時間帯別の使用状況を確認することです。
直近1年分の電気料金の明細を確認するのは、電力会社には季節別の料金プランがあるからです。1年間で電気の使用量が多くなっている時期を確認して、最適な電気契約を選ぶ必要があります。
最大需要電力を確認することで、電力使用量が最大になる時期を特定できます。後述する高圧の500kW未満の電気契約では、最大需要電力に基づいて基本料金が決定されることから、最大需要電力を抑えることで、基本料金を抑えることが可能になります。
また、時間帯別の使用状況を確認することで、各電力会社が提供する時間帯別料金プランでメリットが出るかどうかがわかります。現状よりもコストを下げるためには、電力を多く使用する時間を見直すことも有効です。
こうした点を確認した上で、候補となる電力会社から見積もりを取得し、最適なプランを選んで契約します。後述する高圧の500kW以上2,000kW未満と、特別高圧を契約する場合は、高圧受電設備の設置も必要です。

電気契約は法人の経営コストに直結
電気料金は2022年2月にロシアがウクライナに侵攻を始めたことなどをきっかけに、燃料価格が上がったことで高騰しました。多くの電力を使用する法人にとっては、電気料金の高騰は経営を圧迫する要因にもなっています。
政府は多くの電力会社が採用している燃料費等調整額が上昇することによる電気料金への影響を緩和しようと、燃料油価格の定額引下げ措置や、電気・ガス料金の負担軽減などを2025年11月に総合経済対策として決定し、実施しています。今後も補助金などの政策を注視する必要があります。

(図)内閣府特命担当大臣『「強い経済」を実現する総合経済対策』資料
法人の電気契約の種類とは
法人における低圧電力の電気契約とは
法人の電気契約の種類には、契約電力によって「低圧」「高圧」「特別高圧」の3種類があります。このうち、小規模な小売店や、飲食店などの電気契約に該当するのが低圧です。低圧は契約電力が50kW未満の場合になります。
低圧の契約電力を決定する方法には2つあります。1つは、ブレーカーの容量に基づいて契約電力を決定する主開閉器契約です。全ての電気機器を同時に使わないのであれば、主開閉器契約を選ぶことで契約電力が下がる場合があります。
もう1つは、使用する電気機器をあらかじめ設定して、その総容量に一定の係数を乗じることによって契約電力を算定する負荷設備契約です。電気機器が出力のみ表示されている場合は、入力換算によって入力容量に換算して、そこからそれぞれ係数を乗じる台数圧縮と容量圧縮によって契約電力が算定されます。
法人における高圧電力の電気契約とは
高圧の電気契約は、契約電力が50kWから2,000kW未満の場合です。ただし、500kW未満と、500kW以上2,000kW未満では、決定方法に違いがあります。
このうち500kW未満は、事務所や飲食店、小売店舗などの中小規模施設が対象です。電気契約は実量制によって決定されます。実量制とは、過去1年間の最大需要電力のうち、最も大きな値が契約電力として適用されて、そこから基本料金が算定される方式です。
一方、500kW以上から2,000kW未満は、工場や事業所、それに公共施設など、中規模から大規模の施設向けの契約になります。電気契約は、直近12か月の実績や負荷設備の容量などを加味しながら、企業などの需要家と電力会社が協議して決定する協議制によって結ばれます。
法人における特別高圧電力の電気契約とは
特別高圧は、契約電力が2,000kW以上の法人が対象です。製造工場や病院、データセンター、複合商業施設など、大口の需要家に向けた電気契約となっています。
特別高圧の電気契約は、高圧の500kW以上から2,000kW未満と同様に、協議制によって結ばれます。
協議制の電気契約は、実量制のような一律の算定方式ではありません。使用実績などをもとに契約内容を柔軟に決定できるメリットがある一方で、契約時には電力使用についての見通しや設備情報などを提出することなどが求められます。
電気契約の料金と契約のポイント
法人向け電気契約の料金プランとは
法人向け電気契約の料金プランは、これまで触れてきた低圧、高圧、特別高圧といった契約電力による区分があるほか、基本料金や電力量料金別に様々なプランが用意されています。
また、法人向けの電力を供給する会社には、東京電力エナジーパートナーなど各地域の大手電力会社のほか、電力自由化によって参入した新電力会社もあります。
電力自由化は特別高圧、高圧、低圧の順に自由化され、現在ではどのような法人の規模であっても、新電力会社を含めて自由に電力会社を選べるようになりました。新電力会社にはさまざまなプランを用意しているところも多いことから、多様な選択肢から自社にあった料金プランを検討することができます。
電気契約の期間や適切な決め方とは
電気契約は一般的に、契約を開始した日から契約年度の末日にあたる3月31日までとなっています。法人側が申し出なければ、自動的に更新されることがほとんどです。
注意が必要なのは、契約期間が残っている時期に解約を申し出た場合には、違約金や精算金が発生する場合があることです。契約期間や中途で解約した場合の違約金については、契約時に取り交わした重要事項説明書に記載されています。
電気契約を他社に切り替えようとする場合は、違約金が発生しないタイミングを確認するか、もしくは違約金を払ってもコスト面でのメリットがあるかどうかを確認した方がいいでしょう。

電気契約の見直しとエバーグリーンの料金プラン
電気契約の見直しを検討している場合には、電気代を大幅に削減することも可能なエバーグリーンの高圧電力プランがあります。プライム市場上場のイーレックスグループのエバーグリーンなら、安定した電力供給が可能で、安心してご利用いただけます。
料金は5つのプランを用意しています。FIT電源や相対電源を組み合わせたシンプルプラン、価格変動が激しい燃料費調整額の設定がない完全固定料金プラン、昼間の電気使用量が多い法人様におすすめの市場連動型プラン、夏と冬のみ固定価格で提供するハイブリッドプラン、夏と冬は市場連動と標準メニューを比較して安いプランを採用する市場連動シフトプランです。いずれも業界最安値の水準です。
さらに、環境価値を持つ非化石証書を組み合わせることで、実質的に再生可能エネルギーを提供し、CO₂排出係数をゼロにできるCO₂フリープランを、すべてのプランにオプションで付加することも可能です。詳しくはこちらをご覧ください。
