高圧受電設備とは?設備の構成や更新の進め方などを法人向けに解説

ビジネス関連
2026年9月4日

高圧受電設備は、高圧で受けた電力を事業所内で使用できる状態にする設備です。法人向けに高圧受電設備の規程や構成、保安点検の要点、設備更新時に電力契約を見直すポイントを実務目線でお伝えします。

目次

高圧受電設備とは

高圧受電設備の定義と規程とは

高圧受電設備は、電力会社から高い電圧で送られてくる電気を、ビルや工場などで使えるように低い電圧に変圧する設備です。高圧受変電設備とも呼ばれます。電気事業法では、自家用電気工作物の一つと定義されています。

大規模な工場や商業施設、病院、マンションなどは、契約電力50kW以上2,000kW未満の高圧で電力契約を結びます。この場合、電力会社からは6,600Vの高圧電力が供給されます。高圧受電設備はこの高圧電力を受電し、施設内で利用可能な100Vや200Vの低圧電力に変圧します。

高圧受電設備の設計、施工、維持、検査などの規範として定められているのが、民間規格である高圧受電設備規程です。規程を遵守することによって、安全に運用することが求められています。

高圧受電設備とキュービクル

高圧受電設備を収めた金属製の箱はキュービクルと呼ばれています。高圧受電設備の一種として「キュービクル式高圧受電設備」とも表現されます。電気事業法ではキュービクルも自家用電気工作物に分類されています。

キュービクルは様々な場所に設置できます。その際に、設置する環境に合わせて種類を選ぶ必要があります。屋内用のキュービクルは、雨や風など天候の影響を受けない場所に設置するもので、軽量でコンパクトな傾向があります。これに対して屋外用のキュービクルは、金属製の箱に雨や風が入らない構造になっていて、屋内用に比べると重くなる傾向があります。この他にも劣悪な環境でも設置できるキュービクルなどがあります。

また、キュービクルには前面保守型と前後面保守型があります。前面のみに扉がついているものは前面保守型で、壁面などに設置できます。前後面保守型は、前面と後面の両側から内部にアクセスが可能です。

高圧受電設備とは?設備の構成や更新の進め方などを法人向けに解説

高圧受電設備の構成は

高圧受電設備やキュービクルは、高圧を受電し変圧するための多くの機器で構成されています。主な機器の一つが変圧器です。高圧の電圧を100Vや200Vに変圧します。

高圧進相コンデンサは、電力の無駄を減らし、電圧を安定させることで、効率を向上する機器です。VCT(電力受給用計器用変成器)は、高圧で受電した電気を計測可能な値に変換する装置です。電力量計に安全かつ正確にデータを送り、契約電力や請求額を算出する根拠となる数値を提供します。

この他にも、過電流やショートなどの異常が発生した際に、電気回路を自動的に遮断して設備を保護する遮断機や、電源を回路から切り離す断路器などが組み込まれています。

高圧受電設備の保安点検の要点とは

高圧受電設備の保安点検義務とは

高圧受電設備やキュービクルについては、電気事業法や電気設備技術基準に基づいて、点検と保守に関する法的な義務が定められています。特に、定期点検は法律で義務付けられています。

点検には年次点検と月次点検があります。年次点検は電気事業法で定められた義務で、原則として年1回実施する必要があります。その結果を経済産業省に届け出なければなりません。具体的な手続きは、経済産業省のホームページに記載されています。

経済産業省:電気設備の申請・届出等の手引き 自家用電気工作物に係る保安について

また、月次点検では原則として毎月1回の実施が義務付けられています。経済産業省への届出は不要です。

高圧受電設備の保安点検を怠った場合のリスクとは

高圧受電設備の保守点検では、電気主任技術者による点検が必要とされています。高圧受電設備を設置している事業者は、電気主任技術者を自社で雇用するか、もしくは外部委託承認制度を利用して、外部の電気主任技術者に点検・管理を委託する必要があります。

保守点検を怠ることによるリスクには、次のようなものが考えられます。まず、事故が発生するリスクです。電気機器の劣化や故障に気づくのが遅れて、停電事故や周辺地域全体に停電が起こる波及事故、それに感電や火災事故が発生する恐れがあります。重大事故に発展する可能性もあるので、定期的なメンテナンスが重要になってきます。

次に、電気事業法違反で罰則が科せられるリスクもあります。5年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられます。また、電気機器の経年劣化を見落とすことで変換効率が低下して、電気料金が高くなるリスクも考えられます。電気使用量が多い工場などは注意が必要です。

高圧受電設備の保安点検の進め方とは

年次点検では、高圧電力が流れる部分を点検するため、点検中は施設を停電させる必要があります。そのため、事前に施設の関係者への周知や、点検日程の調整を行います。

年次点検の内容は外観の点検、絶縁抵抗の測定、過電流や過電圧の保護装置の動作確認、配電盤や変圧器の劣化や損傷の有無を確認するなど、多岐にわたります。点検の結果、設備の異常が発見された場合は、適切な対策を講じる必要があります。

また、月次点検は、外観の点検、目視点検、絶縁監視装置の確認などを行うもので、敷地内を停電させる点検は不要です。

エバーグリーン:『キュービクルとは?法人が知るべき受変電設備の基礎や導入判断、保安のポイントを解説

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高圧受電設備の更新と電力契約の見直し

高圧受電設備の更新時期とは

高圧受電設備は、法定耐用年数が15年、実用耐用年数が15年から20年とされていることから、15年から20年に一度更新が必要になります。

耐用年数が迫っているか、もしくは過ぎている機器については、新しいものに更新します。また、キュービクル全体を新しいものに交換する場合もあります。

2026年4月1日からは、キュービクルの省エネルギー性能に関する新基準が適用され、変圧器は省エネルギー性能が向上したトップランナー基準を満たすものしか、製造や販売が認められなくなりました。現在使用中の変圧器はそのまま使えますが、新基準の変圧器は旧基準よりも価格が高いため、導入や交換には注意が必要です。

高圧受電設備と電力契約の関係とは

高圧受電設備が必要になるのは、前述の通り50kW以上2,000kW未満の高圧で電力契約を結ぶ場合になります。

高圧受電契約は、50kW未満の低圧受電契約に比べると、基本料金が高くなる一方で、電力料金単価は安くなります。一方で、高圧受電設備の導入や保守点検費用がかかることになります。

ただ、電力を多く使用する施設では、高圧受電設備の費用がかかっても、月々の電気代が安くなるメリットの方が大きくなるケースもあるので、設備の見積もりや電力会社のプランを比較することが必要です。

エバーグリーン:『キュービクルの価格はいくら?費用の内訳と見積もりの進め方を法人向けに解説』(https://www.egmkt.co.jp/column/corporation/10451/

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高圧受電設備の更新と電力契約見直しのポイント

高圧受電設備の更新時期は、電力契約を見直す絶好の機会になります。

高圧電力契約のうち、50kW以上500kW未満の電力契約では、原則として直近12か月の各月の最大需要電力のうち、最も大きい値を契約電力とする実量制が採用されています。更新の際に最新の省エネルギー設備を導入することで、最大需要電力を見直すことが可能になります。

また、最大需要電力を見直すと同時に、電力会社各社の料金プランを比較することで、電力契約を見直し、電気料金を抑えることも可能になります。

エバーグリーンでは、法人向けの高圧について5つの料金プランを用意しています。さらに、環境価値を持つ非化石証書を組み合わせることで、実質的に再生可能エネルギーを提供し、CO₂排出係数をゼロにできるCO₂フリープランを全てのプランにオプションで付加することも可能です。以下のリンクからぜひご検討ください。

よくある質問

Q.高圧受電設備とは何ですか?

A.高圧受電設備は電力会社から高い電圧で送られてくる電気を、ビルや工場などで使えるように低い電圧に変圧する設備です。高圧受電設備を収めた金属製の箱がキュービクルです。

Q.高圧受電設備の更新はどれくらいの周期で必要ですか?

A.高圧受電設備は、法定耐用年数が15年、実用耐用年数が15年から20年とされていることから、15年から20年に一度更新が必要になります。

Q.高圧受電設備の更新時に電力契約も見直すべきですか?

A.高圧受電設備の更新時期は電力契約を見直す絶好の機会です。最新の省エネルギー設備を導入することで、最大需要電力を見直すことが可能になります。同時に電力会社各社の料金プランを比較することで、電力契約を見直し、電気料金を抑えることも可能になります。

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