大気汚染の原因とは?日本の現状や対策もわかりやすく解説
2023年05月02日
環境問題のひとつである大気汚染ですが、その原因をご存じでしょうか?この記事では、大気汚染の原因や現状などをご紹介します。
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【目次】
大気汚染の原因
大気汚染とは、有害物質によって地球上の空気が汚れてしまうことです。
大気が汚染されると、酸性雨や光化学スモッグなど、人間や動植物に対してさまざまな問題を引き起こします。
大気汚染の主な原因は、以下の2つです。
- 工場などから出る排ガス
- 自動車から出る排ガス
日本では、1960年代〜1980年代の高度経済成長期に、二酸化硫黄などの大量の化学物質が工場から排出されたことで、工業地帯などを中心に、大気汚染が急激に進みました。
また、移動に使う自動車、特にディーゼル車から排出される二酸化窒素や浮遊粒子状物質も、大気汚染の原因となり、人が集中する大都市圏を中心に問題となりました。
日本における大気汚染の現状
過去に日本で大きな問題となった大気汚染ですが、現在はどのような状況なのでしょうか。
日本では、大気汚染防止法によって、都道府県および政令市で大気汚染の状況を常時監視しています。また、環境省でもモニタリングを行い、測定結果を毎年発表しています。
ここでは、令和3年度における測定結果をご紹介します。
微小粒子状物質(PM2.5)
まずは、微小粒子状物質(PM2.5)の測定結果です。
項目 | 令和2年度 | 令和3年度 |
---|---|---|
環境基準達成率(一般局) | 98.3% | 100% |
環境基準達成率(自排局) | 98.3% | 100% |
全測定局の年平均値(一般局) | 9.5μg/㎥ | 8.3μg/㎥ |
全測定局の年平均値(自排局) | 10.0μg/㎥ | 8.3μg/㎥ |
※一般局:一般環境大気測定局
※自排局:自動車排出ガス測定局
PM2.5は、環境基準達成率、全測定局の年平均値ともに、前年より改善しています。
全測定局の年平均値については、平成25年度から少しずつ改善傾向が続いている状況です。
光化学オキシダント
続いて、光化学オキシダントの測定結果です。
項目 | 令和2年度 | 令和3年度 |
---|---|---|
環境基準達成率(一般局) | 0.2% | 0.2% |
環境基準達成率(自排局) | 0% | 0% |
光化学オキシダントの環境基準達成率は、前年と変わらない数値で、非常に低い状態です。
光化学オキシダント濃度の1時間の値が0.12ppm以上になり、かつ、気象条件からみてその状態が継続すると認められる場合、各都道府県から光化学オキシダント注意報が発令されます。
関東、東海、阪神、福岡、山口は、光化学オキシダント注意報発令レベルである0.12ppmを超える割合が多い地域ですが、これらの地域における光化学オキシダント濃度の長期的な改善傾向を評価するための指標値は、令和元年度〜令和3年度はいずれも平成28年度〜平成30年度に比べると低下している状況です。
その他の大気汚染物質
最後に、その他の大気汚染物質の測定結果です。
項目 | 二酸化窒素 | 浮遊粒子状物質 | 二酸化硫黄 | 一酸化炭素 |
---|---|---|---|---|
環境基準達成率(一般局) | 100%(令和2年度 100%) | 100%(令和2年度 99.9%) | 99.8%(令和2年度 99.7%) | 100%(令和2年度 100%) |
環境基準達成率(自排局) | 100%(令和2年度 100%) | 100%(令和2年度 100%) | 100%(令和2年度 100%) | 100%(令和2年度 100%) |
これらの大気汚染物質の状況は、いずれも前年度と同じか改善傾向にあります。
日本で行われている大気汚染への対策
日本では、大気汚染対策としてさまざまな取り組みが行われています。
ここでは、主な対策として、以下の4点を紹介します。
- 大気汚染防止法
- 環境基本法
- 自動車NOx・PM法
- EST(環境的に持続可能な交通)
大気汚染防止法
大気汚染防止法は、昭和43年に制定された法律です。
その名の通り、大気汚染を防止して、国民の健康と生活環境を守ることを目的としています。
この法律では、工場や事業場などから排出・飛散する大気汚染物質を、物質の種類ごと、施設の種類・規模ごとに、排出基準などが定められています。
環境基本法
環境基本法は、環境に関する国の基本的な方向性を示す法律です。
1967年に制定された「公害対策基本法」を継承する形で、1993年11月に施行されました。
環境基本法によって、二酸化窒素やPM2.5など大気汚染に関する10の物質に対して、生活環境を保全する上で望ましいとされる環境基準が設けられています。
例えば二酸化窒素であれば、「1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること。」とされています。
この環境基準を達成することを目標にして、先ほどご紹介した大気汚染防止法で規制を実施しているという位置づけです。
自動車NOx・PM法
自動車NOx・PM法の正式名称は、「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」です。
この法律は、東京や大阪など、自動車交通が特に集中する地域を対象に、ディーゼル自動車から排出される窒素酸化物を規制し、大気環境基準の確保をすることを目的としています。
対象に指定された地域では排出基準が定められており、基準を満たしていない車は、猶予期間を過ぎると登録ができないよう規制されています。
EST(環境的に持続可能な交通)
EST(環境的に持続可能な交通)は、環境に優しい持続可能な交通を目指すための取り組みです。
OECDが提案し、環境意識の高い欧州を中心に取り組まれてきましたが、日本にも取り入れられました。
日本では、21の地域をESTモデル地域に指定し、次世代型路面電車システム(LRT)の整備や公共交通機関の利用促進などが行われています。
大気汚染以外にも深刻化している環境問題がある
大気汚染以外にも、深刻化している環境問題が存在します。
例えば以下のようなものです。
- 地球温暖化
- 海洋汚染
- 土壌汚染
地球温暖化
地球温暖化によって、世界の平均気温は上昇を続けています。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書(2013~2014年)によると、1880年から2012年の間に0.85℃上昇したという結果が出ました。
記録的な猛暑を記録した年は、最近30年に集中しており、世界はもちろん、日本でも体感できるものとなっています。
海洋汚染
海洋汚染は、文字通り、海が汚染されることを言います。
現在、人間が出したごみや排水などが原因となって、世界中の海で汚染が起きています。
特に問題となっているのが、プラスチックごみです。
プラスチックは生ゴミなどとは違い、自然には分解されません。
外部からの衝撃などで小さくなることはあっても、完全にはなくならず、数百年も消えずに存在し続けることもあると言われています。
そのため、ごみとして海などに流れ出ると、そのまま溜まり続けてしまうのです。
土壌汚染
土壌汚染は、人間の活動によって排出された有害な物質が土に蓄積されている状態を指します。
土壌が汚染されると、人間への影響はもちろん、地域の生態系を大きく乱し、動植物が生きていけなくなってしまう場合もあります。
土壌汚染の原因となる有害物質には、水中や大気中とは違って移動しにくい性質があり、土の中に長い時間とどまりやすいのが特徴です。
汚染された土は、有害物質が排出されなくなったとしても、すぐに状況が改善されるわけではなく、汚染が長い間続きます。
エバーグリーンの「CO₂フリープラン」で環境問題防止に貢献
地球温暖化を食い止めるために、わたしたち個人でもできることがあります。
たとえば、環境に優しい再生可能エネルギーを選ぶことです。
再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、バイオマスなどを用いて発電されるエネルギーのことです。
2016年から始まった電力自由化により、今ではさまざまな電力会社から、自由に電力会社を選べるようになりました。
環境に配慮した電力会社も増えているので、そのような電力会社に切り替えるのもひとつの手です。
地球温暖化の防止に貢献したいとお考えの方は、新電力『エバーグリーン』の「CO₂フリープラン」を検討しませんか?
『エバーグリーン』は、東証プライム市場上場のイーレックスグループの一員です。
親会社である『イーレックス』は、国内トップクラスのバイオマス発電事業者として、エコな電気の供給に取り組んでいます。
エバーグリーンのCO₂フリープランに申し込むと、電力を使用したときのCO₂排出量が実質ゼロになります。
このプランで削減できる年間CO₂排出量は1785kg-CO₂で、これは杉の木約130本が1年間に吸収する量に相当します。
※ 300kWh/月×12か月×0.496kg-CO₂/kWh(平成29年度全国平均係数)より算出
※ 杉の木一本当たりの年間吸収量14kg-CO₂/年と想定(環境省資料より)
気になる方は、ぜひエバーグリーンの公式ホームページをご覧ください。
大気汚染のことを正しく理解して地球に優しい選択をしよう
今回は、大気汚染の原因や現状についてご紹介しました。
大気汚染は、国や企業などの取り組みによって、少しずつ減少傾向にありますが、まだまだ改善点も多いのが現状です。
自家用車の代わりに公共交通機関を利用するなど、個人でも取り組めることがあります。できることからぜひ実践してみてください。
(出典)