温度と湿度の関係は?快適な温度・湿度を保つ方法もご紹介

2021年05月06日

暑くてジメジメした夏や、寒くて乾燥した冬には、温度や湿度が気になる人も多いと思います。この記事では、温度と湿度の関係や、快適に感じる目安などについて解説します。過ごしやすい温度・湿度に調節する方法もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

温度と湿度の関係性について

ベタベタとまとわりつくような蒸し暑さを感じる日本の夏は、不快に思う人も多いです。

一方で、アメリカのニューヨークやフランスなどは、夏でも湿気が少なく過ごしやすいと言われています。

人が「快適だ」と感じるかどうかは、温度と湿度のバランスが大きく影響しています。

まずは、温度・湿度の関係性について詳しく見ていきましょう。

そもそも「温度」とは?

「温度」とは、温かい・冷たいなどの状態を示す指標です。

単位は、摂氏(℃)・華氏(°F)・ケルビン(K)などがありますが、日本では摂氏(℃)が一般的に使われています。

天気予報などでよく見る「気温」とは、「大気の温度」のことで、通常は地上1.25~2.00mの大気の温度(以下、「温度」と言う)を摂氏(℃)で表しています。

(出典:気象庁|予報用語 気温、湿度)

「湿度」には2種類ある

湿度には「相対湿度」と「絶対湿度」がありますが、天気予報などで一般的に使われるのは「相対湿度」です。

・相対湿度
空気中に含むことのできる水蒸気量の上限(飽和水蒸気量)に対して、実際にどのくらいの水蒸気が含まれているかを割合で示したもの(単位:%)。

飽和水蒸気量は空気の温度によって変化し、温度が高いほどたくさんの水蒸気を含むことができます。

例えば、相対湿度が同じ40%であっても、温度が20℃と30℃の場合では、30℃の方がより多くの水蒸気を含んでいるということになります。

・絶対湿度
縦・横・高さそれぞれ1mの空間にどれくらいの水蒸気が含まれているかを示すもの(単位:g/㎥)。

相対湿度が、「飽和水蒸気量と実際の水蒸気量との比」であるのに対して、絶対湿度が表すのは「水蒸気自体の重さ」です。

例えば、温度25℃・相対湿度50%のときの絶対湿度は11.5g/㎥ですが、仮に、相対湿度が50%のまま温度が15℃まで下がると、絶対湿度は6.4g/㎥と少なくなります。

また、絶対湿度はインフルエンザウイルスの流行と関係があり、7.0g/㎥以下になると流行しやすくなると言われています。

(出典:気象庁|予報用語 気温、湿度)

(出典:ウェザーニュース|絶対湿度と相対湿度の違いとは)

(出典:アピステテクニカルノート|温度・湿度の基本原理)

(出典:宮城県地域医療情報センター|インフルエンザ流行予測図の見方)

温度・湿度は「快適さ」にどう影響する?

温度と湿度の関係性は、「快適さ」にどのように影響するのでしょうか?具体的に見ていきましょう。

気温が高くなるほど湿気を感じやすくなる

空気が含むことのできる水蒸気量は、温度が低いほど少なく、温度が高くなるにつれて多くなっていきます。

梅雨の時期や夏場は、温度の高さに伴って空気中に含まれる水蒸気量が増えるため、ムシムシとした不快な暑さを感じるようになります。

反対に、寒くなる冬場には空気が乾燥する日が続きますが、これは温度が低くなることで空気中の水蒸気量が少なくなってしまうことが原因です。

同じ温度でも湿度によって体感温度が変わる

温度が同じでも、湿度や風(気流)の有無などによって体感温度は変化します。

特に、湿度は体感温度を大きく左右する要素です。

汗は蒸発するときに身体から熱を奪い、体温を下げる働きをしますが、湿度が低いと汗が蒸発しやすくなるため寒く(涼しく)感じます。

一方で、湿度が高い環境では汗が蒸発しにくく、体温が下がりづらくなるため暑く(暖かく)感じるのです。

快適に過ごすためには、湿度を上手にコントロールすることが大切と言えます。

(出典:Panasonic|ちょうどいい温度調整のコツ、教えて!)

快適に過ごせる温度・湿度の目安

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温度と湿度が快適さに大きく関わっていることは分かりましたが、温度・湿度を調節するにあたって、過ごしやすいと感じる目安は一体どれくらいなのでしょうか?

快適さを客観的に判断する際に参考になる指標もあわせてご紹介します。

快適に過ごせる温度・湿度の一般的な目安

人が快適に感じる温度は、一般的に次の通りです。

  • 夏場:気温25~28℃
  • 冬場:気温18~22℃

また、労働安全衛生法に基づく衛生基準では、オフィスなどの温度・湿度に関して「温度17℃以上28℃以下、相対湿度40%以上70%以下」とするよう定められています。

なお、環境省が提唱するクールビズ・ウォームビズは、この衛生基準で定められた値を参考に、冷暖房時の室温設定を行っています。

※クールビズとは
地球温暖化対策として国が提唱している夏場のライフスタイルです。冷房使用時の室温は28℃を目安とし、冷房に頼りすぎなくても快適に過ごせるよう軽装するなどを呼び掛けています。

※ウォームビズとは
クールビズ同様、地球温暖化対策として国が提唱している冬場のライフスタイルです。暖房使用時の室温は20℃を目安とし、暖房に頼りすぎなくても暖かく過ごせる取り組み(衣服や食事などを工夫して身体を温める)を行うよう呼び掛けています。

(出典:安全衛生情報センター|事務所衛生基準規則)

(出典:環境省|どうして「28℃」?/COOL CHOICE)

(出典:環境省|ウォームビズとは/COOL CHOICE)

温度・湿度を快適に保つことは、健康的な生活に直結する

労働安全衛生法に基づく衛生基準でも示されている通り、過ごしやすく快適な湿度は40~70%が目安となっています。

この範囲を外れた場合、問題となるのは不快感だけではありません。

湿度が下がり空気が乾燥すると、インフルエンザウイルスが活発化して感染リスクが高まります。厚生労働省は、インフルエンザへの予防として、湿度を50〜60%に保つことを推奨しています。

また湿度が高い環境では、ダニやカビが増殖しやすくなってしまいます。

快適さを感じる温度・湿度を保つことは、健康的な生活にも繋がるということを知っておきましょう。

(出典:厚生労働省|インフルエンザQ&A)

温度と湿度のバランスを分かりやすく示す指標

温度と湿度のバランスを客観的に示す指標をご紹介します。

次に説明する「暑さ指数(WBGT)」「不快指数」を理解して、空間の快適さを判断するときの参考にしてみてください。

暑さ指数(WBGT)

暑さ指数(WBGT:湿球黒球温度)とは、気温・湿度・輻射熱・気流の影響を受ける温熱指標です。熱中症のリスクを事前に判断するために、1954年にアメリカで開発されました。

黒球温度・湿球温度・乾球温度という3種類の測定値をもとに、次の計算式から算出されます(単位:℃)。

・屋外の場合
暑さ指数(℃)=0.7 × 湿球温度 + 0.2 × 黒球温度 + 0.1 × 乾球温度

・屋内の場合
暑さ指数(℃)=0.7 × 湿球温度 + 0.3 × 黒球温度

日本でも熱中症予防を目的として、2006年から国内各地の暑さ指数情報がWeb上で確認できるようになっています。

暑さ指数が28℃を超えると熱中症患者の発生率が急増します。暑さ指数が高いときは特に熱中症対策に気を配りましょう。

(出典:環境省熱中症予防情報サイト|暑さ指数(WBGT)について学ぼう)

(出典:環境省熱中症予防情報サイト|暑さ指数(WBGT)の詳しい説明)

不快指数

不快指数とは、「蒸し暑さ」を分かりやすく示す指標で、次の式から求められます。

不快指数 = 0.81 × 気温 + 0.01 × 湿度 × (0.99 × 温度 - 14.3 ) + 46.3

気温と湿度が分かれば計算できるので、空間が快適かどうかを客観的に判断したいときに役立つでしょう。

一般的に、不快指数が85になると93%の日本人が蒸し暑さで不快感を感じるとされています。

ただし、体感温度は空気の温度や湿度だけに影響されるのではなく、風(気流)などによっても左右されるものです。

不快指数は温度・湿度のみから算出される指標であるため、必ずしも体感と一致するわけではない点に注意しましょう。

(出典:不快指数って何ですか?|気象庁)

(出典:CASIO|不快指数)

温度と湿度を快適に保つ方法

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快適な温度・湿度を保つ方法を3つご紹介します。

どれも簡単ですぐに実践できる方法なので、快適な空間作りにぜひ役立ててみてください。

エアコンの除湿機能や加湿器などを活用する

蒸し暑い夏を快適に過ごすポイントは「除湿」です。同じ温度でも、湿度を低くすることで汗が蒸発しやすくなり、体感温度が下がります。

エアコンの除湿機能や除湿機などを使って、部屋の湿気を上手に取り除いていきましょう。

また、窓を開けて部屋の換気をするのもおすすめです。

可能であれば、部屋の対角線上にある2ヶ所の窓を開けるようにしましょう。空気が部屋全体を流れるため、効率良く換気することができます。

一方で、寒くて乾燥する冬は「加湿」がポイントです。湿度が高い空間では汗が蒸発しにくくなるため、温度が変わらなくても暖かく感じます。

加湿器を使ったり、洗濯物を部屋干ししたりして湿度を上げる工夫をしましょう。

【関連記事】除湿(エアコン)の電気代は高い?冷房との違いや電気代を抑える4つの方法を紹介

【関連記事】加湿器の電気代はいくら?タイプ別の相場と節約のコツを解説

(出典:ダイキン|上手な換気の方法~住宅編~)

扇風機などで空気を循環させる

冷たい空気は下に、温かい空気は上に溜まりやすいので、サーキュレーターや扇風機などを使って、部屋の空気を循環させるようにすることもポイントです。

室内の温度のムラが減って、より快適に過ごすことができます。

【関連記事】サーキュレーターと扇風機って何が違うの?特徴や電気代を解説

カーテンなどで断熱・遮熱する

窓は、室温調整に大きな影響を与えるものです。

夏場は窓から強い日差しが差し込むことで、室内の温度が上がりやすくなります。

また、冬場は窓から冷気が入り込んだり、せっかく温めた部屋の空気が窓から外へ逃げてしまったりすることで、室温が低下してしまいます。

カーテンやブラインド、断熱シートなどを活用して窓の断熱・遮熱を行うようにすると、室温を効率良く保つことができるのでおすすめです。

【関連記事】窓からの隙間風への対策は?手軽に取り組める方法を紹介

温度・湿度を調節することで節電にも繋がる

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エアコンの設定温度は消費電力に大きく関わっており、1℃変わるだけでも節電に繋がるということを知っていますか?

例えば、冷房時にエアコンの設定温度を1℃高くすると約13%の節電に、暖房時に設定温度を1℃低くすると約10%の節電になります。

湿度を上手にコントロールすれば、エアコンの設定温度を上げ下げしなくても快適に過ごすことが可能です。

温度・湿度バランスを調節することによって、快適で健康的に過ごせるだけでなく、電気代も節約できるでしょう。

(出典:みんなで節電アクション!家庭でできる節電アクション)

それでも電気代が気になるときは、電力会社を見直してみよう

「温度・湿度を調節すれば節電になることは分かったけど、それでもエアコンの除湿機能や加湿器を使うと電気代が気になる…」という人は、電力会社の見直しも検討してみましょう。

電気の使用量を抑えることはもちろん節電に繋がりますが、今よりも安いプランのある電力会社へ切り替えるのも選択肢の一つです。

「今まで電力会社を切り替えたことがなくて、どこが良いのかよく分からない!」という場合は、『エバーグリーン』を候補に入れてみてはいかがでしょうか?

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温度・湿度を上手に調節して快適に過ごそう

温度・湿度は快適さに大きな影響を与える要因です。

快適な温度・湿度が保たれた空間は、ウイルスやカビなどの心配も少ないため、健康にも住宅にも良い環境であると言えます。

今回ご紹介した目安を参考に、エアコンや除湿機などを上手に活用して温度と湿度をコントロールし、季節を問わず快適に過ごせる空間を作っていきましょう。

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